アップルとサムスンが支えるモバイル市場--松村太郎のApple一気読み

 2月4日~2月10日のAppleに関連するCNET Japan/ZDNet Japanのニュースをまとめた「今週のApple一気読み」。

 先週末にサンフランシスコで開催されていたMacworld/iWorld 2013の取材に行ってきた。これまで、テクノロジ系の展示会として、あっと驚く新製品や未来の製品が見られる場所として楽しみにしていくものだったが、今回はどちらかというと、そういう新しく驚かされるものは特になかった印象だ。

 Appleの発表も同様に、(噂が先行しすぎることを差し引いても)着実な進化の範囲を脱しないことを考えると、Appleもユーザー側も、より持続的な発展のためのモードに入っているかもしれない。もちろん「長い目で見れば」その方がよいという見方もできるが、それが昨今の株安や先行きへの懸念を招いているとも言えるだろう。

 それでは、先週のニュースを振り返っていこう。

AppleとSamsungが支えるモバイル市場--なぜ先行きが不安なのか

 2012年のモバイル市場に関するさまざまな指標や、各社の決算が出揃い、その分析に関する記事が多数出ている。そのなかで、モバイル市場を牽引しているAppleとSamsungは、モバイル端末市場における利益を、Appleが7、Samsungが3の割合で分け合っているというデータも、もはやおなじみになった。

 モバイル端末だけではない。タブレットをPCにカウントすると、PC市場でもめざましい成果を上げたことになる。記事にあるCanalysの調査では、Appleの出荷台数は2700万台で20%というシェアを獲得したと発表している。パソコンとタブレットの境界をどのように分けるかは議論があるが、純粋なこれまでのパソコン市場が縮小している現状を考えると、成長しているタブレット市場のトップランナーのAppleの数字としては理解ができる。

 Appleは第1四半期の決算で、純利益は横ばいだったが、売上高は18%増加。Samsungは同時期の決算で利益が76%と急増し、売上高は19%増加したと発表した。どちらも素晴らしい決算だ。しかしAppleの株価は500ドルを割り込む状況が続いており、株主やファンドからの圧力も強い。一方のSamsungに対しても、この成長を継続できるか疑問であると言う視線が向けられている。

 AppleとSamsungには等しく先行き不安の目が向けられているが、必ずしも共通の意見とは言えないだろう。

 Appleに対しては、iPhoneやiPadを先行して市場に投入し、市場を形成してきた実績があったが、これをSamsungに浸食され、ユーザーを惹きつけ続けられないのではないか、という懸念。そして少ない出荷台数で市場の7割の利益を確保するほどの高い利益率が、競争の激化で圧縮されていくのではないか、という見立てとiPhone 5でその傾向が垣間見られた点だ。

 Samsungに対しては、スマートフォン市場の急成長と連動して発展してきただけに、世界のモバイル市場の成長鈍化というトレンドの影響をより大きく受けるという見方と、これに加えて中国の華為技術(Huawei)などのメーカーが実力を付け、Samsung以上に低価格で品質の高い製品を投入できるようになってきたことがある。またトップランナーになったSamsungがAppleのようにトレンドセッターになれるか、といった心配も向けられる。

 いずれの企業にとっても、iPhone 5SもしくはiPhone 6、Galaxy S IVといった次世代の端末は話題になり、ラインアップのテコ入れになり、強力な武器になるだろう。しかし、現在向けられている不安視に対する根本的な解決ではないこともまた、理解しておくべきだろう。

アップルとサムスンにつきまとう不安--好調な四半期決算の陰で(2月4日)
アップルとサムスン、タブレット効果によりPC市場で躍進--2012年第4四半期(2月8日)
アップル、株主への配当増加を検討--ヘッジファンドからの要求受け(2月8日)
ヘッジファンドがアップルを提訴--株主への配当増加を求める(2月8日)

同じiPadでも容量で用途は異なってくるか--次の製品、OS、サービス

 Appleは先週、ひっそりと第4世代iPadに、これまでの最大容量64Gバイトの倍となる128Gバイトモデルを投入した。128Gバイトというと、標準モデルのMacBook AirやMacBook Proのフラッシュストレージと同等のサイズになる。ただ16Gバイトモデルも依然としてラインアップに揃えていることから、同じiPadでも、最小容量と最大容量では用途が異なってくるのではないか、と考えられる。

 さて、今週はiOS 6.1に関する話題が多い。例えば英国では、3G接続が不安定になるとして携帯電話会社がアップデートを避けるようにメッセージを送ったというニュースもあった。日本でも、ソフトバンクユーザーを中心に、最新OSで通信に支障が出るとの報告がウェブでも見られている。一方開発者向けには既にiOS 6.1.1が配布されており、報告では日本の地図の表記、特に駅や3D表示のランドマークなどが大幅に改善されているそうだ。

 またiOS 6.1には、以前から導入が指摘されている音楽ストリーミングサービスに関するボタンが内部で発見されている。ちょうど先週、iTunesで250億曲目がダウンロードされたというニュースもあり、音楽サービスのテコ入れをAppleデバイスの魅力として牽引する、iPod以来の戦略は依然として続いていくことになりそうだ。

128Gバイト版「iPad」、Apple Storeで発売(2月6日)
アップル「iOS 6.1」、ラジオ機能向けボタンが内部で見つかる(2月6日)
アップル、今春にも「Mac Pro」をアップデート?--欧州の規制に対応の可能性(2月6日)
アップル、「iOS 6.1.1」で日本向けに地図の修正を追加か(2月7日)

特許と裁判

アップル、「スライド式ロック解除」と初代「iPhone」の意匠権を取得(2月6日)
ITC、アップルとサムスンの特許訴訟を8月に最終判断へ(2月7日)
米司法省、電子書籍の独禁法訴訟でMacmillanと和解--残るはアップルのみ(2月9日)

セキュリティ

アップル、「Snow Leopard」版Javaをアップデート--Javaプラグインのブロックに続き(2月4日)
アドビ、「Flash Player」の緊急アップデートを公開--ゼロデイ脆弱性を修正(2月9日)

その他

Macworld/iWorld 2013レポート--家庭に拡がるタブレットとワイヤレス(2月7日)
アップルの「iTunes Store」、楽曲ダウンロード数が250億曲を突破(2月7日)

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