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藤岡弘、がせがた三四郎復活を熱望--イベントで明かされたセガサターンCM秘話

佐藤和也 (編集部)2013年03月18日 11時46分
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 3月16日、東京テレビセンターにおいてトーク&ライブイベント「せがた三四郎劇場feat.藤岡弘、&セガサウンドユニット [H.] ~真面目に遊ばぬ奴らに喝!~」が行われた。

 このイベントでは、かつてセガサターンのCMキャラクターとして人気だった「せがた三四郎」を担当した俳優の藤岡弘、氏によるトークショーと、セガ所属のコンポーザーを中心としたサウンドユニット [H.](エイチ)のライブが行われた。

せがた三四郎で伝えたかったのは“師弟愛”

  • 藤岡弘、氏

 イベントは3部構成で、第2部に藤岡氏が登場。「せがた三四郎復活! 宇宙より呼び戻してくれてありがとう。今こそせがた三四郎の生き方が求められている。みんなと会えて嬉しい」と挨拶すると会場からは大歓声。一連のせがた三四郎CMを担当した、博報堂のクリエイティブディレクターである安藤宏治氏とともに、当時のCMについて振り返った。

 そもそもせがた三四郎の誕生した経緯について、安藤氏は当時セガサターンのライバルゲーム機となっていたのはプレイステーションで、商品としても広告としても勢いがある状況を踏まえ「ひとつ大きなフレームを作って、全てのセガサターンのCMをそのフレームのなかで太く見せてみなさんの目を引こうと考えたんです」とし、その考えをもとにせがた三四郎というキャラクターが誕生したという。

 そして安藤氏のなかでは「せがた三四郎は藤岡さんしかいない」ということでオファーを出したという。藤岡氏はそのオファーについて「時代に求められているキャラクターであると感じたし、僕は直感人間なんだけれどもなにかピーンと感じるものがあった」と当時を振り返った。

  • 当時の懐かしいCMが上映

 せがた三四郎のCMは約1年間で19本作られ、当時としてはかなりハイペースでの制作だったが、アイデアとしての生みの苦しみは少なかったという。「普通のCMであれば俳優の藤岡さんにどう演じてもらうかを考えるのですが、せがた三四郎はすでに生きているキャラクターで、コンテを書き始めると勝手に動き出して命が吹き込まれている感じがしたんです」(安藤氏)。

 そして藤岡氏はせがた三四郎を演じると、気持ちがスッと入っていったという。「せがた三四郎に僕の魂や思い、心が入っていた。スタッフの思いも伝わってきて、現場のみんなが熱くて楽しかった」(藤岡氏)。当時を振り返るたびに「楽しかった」を連発していた藤岡氏ではあるが、収録はかなり過酷なものだったようだ。

 修行編のCMでせがた三四郎が巨大なセガサターン本体を背負って走り、巨大コントローラを拳で何度も正拳突きをするシーンがあるのだが、まず巨大セガサターン本体は「バランスが取りずらい構造で、なおかつ重さは体感ですけど、だいたい80キロぐらい」(安藤氏)。さらに地面は砂利道という環境で、そこを裸足で走るということを、4、5テイクを収録したという。さらに巨大コントローラーをスタッフが回収すると、ボタンが破損していた上に血がかなりついていたという。「ボタンを壊してもいいという指示があったからやったんですけど、傷だらけになって血豆ができましたね」(藤岡氏)。

 ほかにもせがた三四郎が頭で瓦割りをするCMもあるのだが、安藤氏によると割れやすいように工夫はしているものではありつつも、スタッフが実際にやっても1枚しか割れないほどの堅さ。現場が慌てる中で藤岡氏が「やってみましょう」と実施し、映像で見る限り14枚の瓦を3テイク目で綺麗に全部割ったという。しかも前述の修行編と同じ日に撮影したと明かした。

  • 修行編で、巨大セガサターンを背負って走るシーン

  • 同じく修行編より、コントローラーを何度も正拳突き

  • 頭での瓦割り。このあと額が赤くなりわずかに血も出ていたのだが、それもリアルだったとか

 ほかにも家が火に包まれ取り残された人を救出するというCMでは、その家に入るときに眉毛が燃えてしまったことや、さらにその撮影後の午前3時にスケートリンクを裸足で走るCMの収録など、聞くだけでも過酷な状況が思い浮かぶが、安藤氏は当時、せがた三四郎のCMは極力CGを使わないことにこだわり、普通ならスタントマンを使うようなところでも藤岡さん自ら担当。しかもこういった撮影内容やシチュエーションは、現場に行くまでわからなかったと藤岡氏は振り返った。

  • 火に包まれた家に飛び込むせがた三四郎

  • スケートリンクを裸足で走るせがた三四郎。藤岡氏は「氷の上で走るのは難しかった」とコメント

 かなり過酷な収録ではあったが、安藤氏が「これはきつかったという収録はなんですか?」と問うと、藤岡氏は「いい思い出として残っていて、嫌だと思ったのは1回も無い」とキッパリ。「僕にとっては楽しかった。プレッシャーや困難があると、逆に五感がさえて燃えてくるんです。チャレンジ精神がなかったら自分じゃないというぐらい」(藤岡氏)。

 せがた三四郎は「師弟愛」をテーマとしてCMを作っていたと安藤氏は振り返る。初期段階のCMでは、だらだらした感じで遊ぼうとする子供や若者が登場し、せがた三四郎が活を入れるシーンが描かれていた。「せがた三四郎は遊びの師匠で、真剣に遊ぶことの象徴として描きたかったんです」(安藤氏)。そのメッセージが込められているCMソング「セガサターン、シロ!」の作詞は安藤氏自ら手掛けたものであることも明かした。

 そして藤岡氏は「師弟愛にはものすごく深いものがあります。父母の心情を持って愛することや育てること、そして人間愛こそが日本人の財産。そして夢と勇気を持って前進すること、不撓不屈の精神が日本民族の人間力でもあるし、そのメッセージがせがた三四郎にはあったんです」と熱く語り、さらに「今またこの時代にも求められていることでしょう。せがた三四郎の復活を願いたい」と自ら復活を希望すると、場内から大きな拍手が巻き起こっていた。

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