セガは3月7日、東京ジョイポリスにてPS3「初音ミク -Project DIVA- F」の発売記念イベント「DAIBA de Thanks!」を開催した。
このイベントには、初音ミク、鏡音リン・レン、巡音ルカのキャラクターボイスを担当した声優の藤田咲さん、下田麻美さん、浅川悠さんの3人によるトークショーや、MEIKOのボイスを担当したシンガーソングライターの拝郷メイコさんとライブイベント「ミクの日感謝祭」などのバックバンドを務めているThe 39s(ザ・サンクス)によるミニライブが行われた。
トークショーではボーカロイド収録時の思い出などが語られた。藤田さんは3人のなかでは最初に収録を行ったこともあってか、藤田さん曰く「魔法の呪文」とよばれる、必要な文言をかなり多く収録していたという。
鏡音リン・レンは初音ミクの盛り上がりだしたころに発売されたのだが、実際の収録はほぼ同時期であったと下田さんは明かした。ただしリンの収録のあと、レンの収録がなかなか決まらない状態だったために不安になったと振り返った。
浅川さんはボーカロイドのムーブメントを把握していなかったため、普通の仕事のひとつという感覚でいたという。巡音ルカは英語用のライブラリもあるので収録は大変だったとしたが、ここまでの盛り上がりになるとは予想もしてなかったため、ラッキーだったと率直な感想を述べていた。
トークの途中には、観客スペースのわきにいた名物着ぐるみ「ミクダヨー」と「ミクナノー」を見つけると、藤田さんが即興でミクダヨーの声をあててみたりしたほか、下田さんは藤田さんとよく、ミクとリン・レンのモノマネで喋って楽しんでいるエピソードを語った。
ただベースの声は担当しつつも、3人が自ら声優として各キャラクターに声をあてたのは、2011年に発売されたPSP「初音ミク -Project DIVA- extend」で収録されたムービーが初めて。2分程度の短いムービーなのだが収録にはかなりの時間がかかったという。3人が3人とも、もともとの色づけがされておらず、多くのユーザーのイメージがそれぞれにあるキャラクターだけに、キャラ付けのさじ加減について慎重に検討しながら収録したというエピソードを語っていた。
このあとミニライブで登場した拝郷さんは、収録当時の思い出の質問を受ける機会が増えたというが、10年前だったことやあっという間というほど短かったことこともあってか、思い出らしい思い出がないという。ただ、当時は得体の知れないものだったボーカロイドの仕事を引き受けた理由について、説明に来てくれた担当者の言葉が決めてだったという。
「私はシンガーソングライターとして、自分で作った曲を歌うことはできます。だけど、世の中には曲を作ることができても、歌ってくれる人が見つからず困っている人もいるので、そういう人に向けて音楽の幅を少しでも広げていきたい、と言ってくださったのが決め手でした」(拝郷さん)
ミニライブでは「ものがたり」をはじめとした拝郷さん自身の曲のほか、初めて挑戦するというMEIKOの楽曲「Color」のカバーを披露。The 39sはメンバーのオリジナル曲や「magnet」、「炉心融解」、さらには下田さんが「リンリンシグナル」、浅川さんは「Reon」、藤田さんは「crack」と、それぞれのキャラの人気ボカロ楽曲カバーを披露。観客は演奏と歌声に酔いしれていた。
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