リコーは3月13日、プロジェクタの投影画像の歪みを自動補正できるiPad/iPhone向けアプリ「RICOH TAMAGO Pita Projection」を公開した。App Storeから無料でダウンロードできる。
RICOH TAMAGO Pita Projectionは、iPad/iPhoneのPDFファイルをプロジェクタに投写する機能に加え、リコー独自の画像歪み補正技術を備える。具体的には、このアプリを通じてプロジェクタに投写したパターン画像をiPad/iPhoneで撮影すると、補正パラメータを算出し、画像の歪みを補正できる。
単なる台形補正にとどまらず、巻き上げ式の天吊スクリーンやスタンド式スクリーンなど投写画像に歪みが出やすい環境や投写面が湾曲している場所で、きれいに補正できるのが特長という。
なお、Wi-Fi経由でのプロジェクタ投影は、リコー製のプロジェクタのみに対応するが、VGAアダプタなどを使用したケーブル経由の投影であればメーカーは問わない。
今回TAMAGO Pita Projectionが生まれた背景には、10数センチという超至近距離から投影できる超短焦点プロジェクタの普及があるという。
至近距離で投影できることから、最近ではプロジェクタをデジタルサイネージとして活用したり、オフィスのエントランスに設置したりするなど、使い方も多様化しているという。デジタルサイネージとして、普通の壁ではないところに映したいという需要がある一方で、短焦点であればあるほど、スクリーンのわずかな凹凸でも投影画像が大きく歪みやすいという問題点もある。
リコーは、補正する技術をすでに持っていたが、歪みを補正する機能をプロジェクタに入れて欲しいという需要はどの程度あるのか。仮に5000円高くなってもその価値はあるのか。または、いくらならいいのか──。それを検証できる機会がこのTAMAGOアプリだという。
リコー NA事業部 PJ・UCS事業センター商品戦略室 商品企画ユニット スペシャリストの市川智之氏は、「内蔵するより先にアプリという形で提供することで、ユーザーの声を吸い上げられる。より良いものにし、今後プロジェクタに搭載していきたい」と語った。
このRICOH TAMAGO Pita Projectionは、ペーパレーレス会議アプリ「RICOH TAMAGO Presenter」、リーダーアプリ「RICOH TAMAGO Clicker」に続く「RICOH TAMAGOシリーズ」の第3弾だ。スピード感を重視するため、まずは“ビジネスのたまご”として形をつくり、商品化への道を探る。すでにTAMAGO Presenterは機能を付加し、「RICOH Smart Presenter」として製品化されている。
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