Mac Proユーザーと話してみて最も一般的に聞かれる要望は、Appleがほかのマシンに搭載している最新のテクノロジの一部をMac Proに搭載してほしいというものだった。たとえばUSB 3.0やThunderboltだ。ユーザーはまた、ライバルであるPCには備えられていて作業をスピードアップさせている、より高速のプロセッサやより高性能のグラフィックカードとの互換性も求めている。
一部のProユーザーは、ハードウェアだけでなく、AppleのProシリーズのソフトウェアにももっと注意を向ける必要があると言う。そうしたソフトウェアには、Appleの写真エディタである「Aperture」、音楽制作ツールである「Logic」が含まれる。これらのソフトウェアの最近のメジャーアップデートは、それぞれ2010年と2009年だ。興味深いことに、あらゆるMacに搭載されているOSである「OS X」もProユーザーの要望に含まれている。
あるメディア制作の専門家は、AppleのOSの次期バージョンのベータテストプログラムに参加しているため、匿名を希望した上で次のように語った。「クリエイティブ分野の専門家にとって、AppleのOSで本当にパワフルだったのはOS X v10.6.8までだ。v10.7とv10.8はMicrosoftの『Windows Vista』のような肥大化してバグの多い、飾り立てられたソフトウェアだ。それらは消費者を重視しすぎるあまり、1日8~10時間も使うようなユーザーにとってはひどく非効率なマシンになっている」(Appleは現在OS X v10.8.2を出荷しており、v10.9を数カ月以内に発表すると予想されている)
Appleの現在のハードウェアにいくつかのメリットがあり、より優れたものがまもなく登場するということが約束されていても、Mac Proユーザーの一部は既に代替製品に移っている、もしくは今までにない形で代替製品に目を向けている。
「iMacの性能がもう少し向上するか、あるいはMac Proと同等に近づいて、半分の価格で手に入れられるなら、iMacとシネマディスプレイを使うのは経済的に筋が通っている」と語るのは、Ignition Creativeの最高技術責任者(CTO)のRich Oldfield氏だ。Ignition Creativeはカリフォルニア州サンタモニカにある従業員約200人の会社で、Trailer Parkのように、動画や印刷物などの宣伝用コンテンツを専門としている。
Oldfield氏は、同社はMac Proを使っているが、外部モニタと接続したiMacもテストしており、その結果が十分良ければ、古くなったワークステーションの代わりにそれを導入する可能性があるとしている。「作業環境に導入することはできないが、研究開発環境に導入して、(編集作業をする人々が)いつもの速度を保てるかどうか試してみることはできる」(Oldfield氏)
Appleのライバル企業も注目し始めており、この機会に乗じようとしている。Borella氏のFacebookグループのことを知ったDellのマーケティングチームは同氏に、1万3000ドルするDellの最上位機種のワークステーションを3カ月間テストしないかと申し出た。さらにBorella氏がそのテスト結果について書いてくれれば、そのワークステーションを使い続けて良いと提案した。Borella氏はテストを行った後で、マシンを使い続けることを決めた。ただし同氏は作業中にお気に入りの小技を使えないことに不自由しており、作業の一部は古いMac Proで続けるつもりだと語った。
「Appleに相当うんざりしてからでなければ、Windows環境に飛び込んでいくことはないだろう」とBorella氏は言う。だが同時に、次のモデルが成功しなければMac Proユーザーはそうする、という瀬戸際にAppleは立たされていると警告した。「われわれが期待しているものに近いマシンをAppleが発表しなければ、われわれはみな、そこから飛び出ることを真剣に考えなければならなくなるだろう」(Borella氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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