米連邦地方裁判所の判事はAppleに対し、プライバシー関連訴訟における文書作成の進捗状況について裁判所に現状を詳しく説明しなければならないと命じるとともに、同判事は当該訴訟をすでに「裁定」しており、同社の言い分はもはや信用できないと述べた。
カリフォルニア州北部地区米連邦地裁サンノゼ支部のPaul S. Grewal下級判事は、Appleが提出を命じられている文書を保留にしていることを原告団が批判したのを受けて、米国時間3月6日にこの命令を出した。本訴訟の原告団は「Appleが回答文書の提出を保留していることについて裁判所に多少の疑念を訴えたにすぎない」が、Appleは命令に従っていないことを裁判所に示すだけの十分な証拠を自ら提供したとGrewal判事は指摘した。同判事は、3月5日の審理でAppleの社外弁護士が「そう認めた」と付け加えた。
Grewal判事は命令書に次のように書いている。「本訴訟におけるAppleの対応ぶりを踏まえると、同社が今度こそすべての回答文書を実際に作成したか、あるいは今後作成するつもりがあるのかについて、裁判所は同社の陳述を信用できない。Appleは、情報開示義務に従っていることを裁判所に示さなければならない」
Appleは3月8日の午後5時までに文書の収集や調査における進捗状況を裁判所に詳しく説明しなければならない。その後3月18日までに、定められた文書の写しを修正されていない形で原告団に提出することになっている。
米CNETはAppleに問い合わせているが、現時点で回答は得られていない。
2011年に提出された訴状では、Appleが「iPhone」を通じて、顧客がジオロケーション機能を無効にしていてもユーザーの位置情報のログを記録することで、プライバシーに関する法律を侵害したと主張している。Appleは一部の文書について、取り扱いに注意を要する情報が含まれており、悪意のある人物の手に渡れば同社や膨大な数の顧客に損害を及ぼすおそれがあるとして提出を拒んでいる。
原告団は3月第2週に提出した申し立ての中で、「AppleがSteve Jobs氏など上級幹部のファイルを精査していなかったことを知って驚いた」と述べている。Appleの弁護団は、Jobs氏をはじめとする上級幹部の文書を提出しなかったのは手違いだったと述べた。同弁護団は先ごろ裁判所に提出した書類の中で、Appleでは上級幹部らのファイルを適切に探していなかったことが明らかになったため、それ以降さらに多くの文書を原告団に提出したと指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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