Microsoftは、少なくとも欧州連合(EU)の監視下では「合意を守らねばならない」ことを身をもって学ぶことになりそうだ。27カ国が加盟するEUとの合意に違反したとして、同社に多額の制裁金が科されることになった。
EUと交わした独占禁止に関する合意条件に違反したとして、EUの欧州委員会(EC)は同社に対し、5億6100万ユーロ(7億3100万ドル)の制裁金を科した。
同社が違反したのは、2009年にECと交わした合意だ。この合意では、同社がEU地域における既存および新規のすべてのPCに、「ブラウザ選択」画面を表示することが義務付けられていた。
欧州の独占禁止および競争を統括するJoaquin Almunia氏は、法的拘束力のある約束を守ることの重要性を強調した。
「われわれは2009年に、Microsoftが提示した約束を受け入れ、『Internet Explorer』と『Windows』の抱き合わせによってMicrosoftが独占的地位を濫用している疑いに対する調査を終了した」(Almunia氏)
「独占禁止に関する決定において交わされた法的拘束力のある約束は、われわれの施行方針において非常に重要な役割を持つ。それによって、競争に関する問題が迅速に解決できるからである。このような決定には当然、厳格な順守が求められる。順守しないことは極めて重大な違反であり、相応に制裁されなければならない」と同氏は続けた。
ブリュッセルのMicrosoft広報担当者は米ZDNetへの電子メールの中で、同社は「技術的な誤りに対する全責任」を負うと述べた。
また同氏は、「われわれは、状況に対する完全かつ正直な評価をECに提出し、今後このような誤りを回避するため、われわれのソフトウェア開発などのプロセスを強化するための対策を講じた」と付け加えた。
2011年2月から2012年7月までに発売された「Windows 7」(Service Pack 1)搭載の新しいマシンでは、「ブラウザ選択」画面が提供されていなかった。Microsoftは当時、欧州において約2800万台のWindows搭載PCに選択画面を提供しなかったことについて、「自社の責任を十分に果たしていなかった」と述べていた。
ECは現地時間3月6日、影響を受けたWindowsユーザーの数を1500万人とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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