日本マイクロソフト(日本MS)は3月1日、10.6型のタブレット端末「Surface RT」を3月15日に発売すると発表した。価格は、32Gバイトモデルが4万9800円、64Gバイトモデルが5万7800円。専用のタッチカバーとのセットモデルも提供する。当初は、ビックカメラ、ヤマダ電機、ヨドバシカメラなどの量販店と、同社のオンラインショップ「Microsoft Store」で販売する。
Surface RTは、米国では2012年10月に発売されており、日本市場への投入が期待されていた。同日の記者発表会で登壇した日本MS代表取締役社長の樋口泰行氏は「マイクロソフトにとってハードウェアの発表は初めてで大変エキサイティングしている。顧客やパートナーからは一体いつになったら発売するのかとたくさんの問い合わせをいただいていたが、ついに発表できる」と喜びを語る。
日本MSでは、Surface RTの発表に向けて2月25日からティザー屋外広告を展開。また、3月11日からはテレビCMや新たな屋外広告など大規模なマーケティングを実施する。さらに、これとは別にPC向けOS「Windows 8」のマーケティング施策も大規模に展開するという。樋口氏は「マイクロソフトの歴史上過去最大のマーケティングとなる」と、Surface RTへの本気度を語る。
Surface RTは、Windows 8の簡易版である「Windows RT」を搭載した10.6インチのタブレット端末。タブレットでの操作に最適化された「Office 2013 RT」を搭載しており、WordやExcel、PowerPoint、OneNoteなどを標準で利用できるのが特徴だ。
性能面では、クアッドコアCPU「Tegra3」と、2Gバイトのメモリを搭載する。ストレージは32Gバイトモデルと、64Gバイトモデルがあるが、システム領域として一定の記憶領域が使用されるため、実際にユーザーが使用できる容量は、32Gバイトモデルが約16Gバイト、64Gバイトモデルが約45Gバイトとなる。重量は約675gで、バッテリ稼働時間は最大8時間。
別売りの感圧式キーボードを備えた「Touch Cover」や、打鍵感のあるキーボードを備えた「Type Cover」を装着し、本体のキックスタンドを立てることで、タブレットでありながらノートPCのような使い方も可能。ただし、Windows RTではWindowsストアのアプリのみをサポートしており、既存のWindows PC向けのアプリには対応していない。
樋口氏は、Surface RTがOfficeを標準搭載していることや、タッチカバーによるPCライクな操作感を例に挙げつつ「このバリューで5万円を切った。従来のWindows以外のタブレットに対して大変競争力のある価格帯であると自信をもって言える」とコメント。Windows 8 PCと併せて、春商戦に臨みたいと意気込む。
また、マイクロソフトがタブレット市場へ参入した理由については「我々は長らくPCのソフトウェアに特化してきたが、競争環境などを考えるとソフトウェアとハードウェアの両方を1社でまとめあげる必要性も感じている」と説明。ただし、ハードウェアパートナーとの関係性に変化はないと強調した。
なお、米国とカナダでは2月9日から「Windows 8 Pro」を搭載したタブレット端末「Surface with Windows 8 Pro」が販売されているが、同モデルの日本での取扱いなどについては言及しなかった。
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