LG Electronicsは米国時間2月25日、Hewlett-Packard(HP)から「webOS」を買収すると発表した。同OSを携帯電話ではなくスマートテレビに利用するという。買収により、LGはwebOSのソースコード、関連文書、エンジニアリング分野の人材、およびwebOS関連のウェブサイトを取得する。そのほか、Palmから取得した特許を含むwebOS製品に必要な知的財産のライセンス供与をHPから受ける。買収の金銭的条件は明らかになっていない。
期待されながらもHPにうまく活用されずにきたwebOSは、この買収で不遇の歴史に終止符をうつことになる。当初はPalmの救世主と目されたwebOSだが、HPに救い出される格好となり、しかしその後、早くも2011年にHPはwebOS関連の携帯端末事業を閉鎖すると発表した。HPが手がけたwebOS端末には、刷新された「Pre」や失敗に終わった「TouchPad」などがある。
HPがwebOSをオープンソース化すると決めた後は、webOSの終焉を予測する向きが大半だった。同社は引き続きサポートすると約束していたが、基本的には捨て置かれた状態だった。
「Android」を主要なモバイルOSとするLGには、webOSをスマートフォンに使用する意向はない。実際、HPで各種の携帯端末の取り組みに携わったwebOSチームのメンバーは、多くがすでに辞職していると今回の買収に詳しい人物は述べている。
代わりにLGはwebOSを未来のテレビに活用する意向だ。今回の買収は特に意外なものではなく、LGはすでに同プラットフォームの製品への採用を検討していると報じられていた。実際のところ、しばらく前から同社はwebOSに目をつけていた。
「LGが幅広い消費者家電を通じて直感的なユーザー体験とインターネットサービスを提供するための新たな道が開けた」と、LGの社長兼最高技術責任者(CTO)Skott Ahn氏は述べている。
LGによると、webOSチームはLGの新しいシリコンバレーラボの「中核」となり、サンノゼとシカゴにある既存のwebOSオフィスに加え、カリフォルニア州サニーベールとサンフランシスコにあるwebOSの施設が、シリコンバレーにおけるLGのグローバル研究開発拠点に加わるという。
なおPalmユーザーについて、LGは引き続きサポートを行うと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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