FacebookによるMicrosoftの広告プラットフォーム「Atlas」の買収交渉がまもなく成立すると報じられている。この交渉については2012年12月に最初に報じられていたが、Ad Ageの記事によると、来週にも合意に至る可能性があるという。
同記事によると、買収金額は1億ドル未満になる見込み。両社の広報担当者はともにコメントを避けた。
MicrosoftのAtlas Solutionsは、広告主による広告の購入と管理を支援する製品。Microsoftは、2007年にaQuantiveを買収した際に同事業を手に入れた。aQuantiveの買収金額は60億ドルで、Microsoftにとってこれまでで最高規模の買収であった。
aQuantive買収費用のほとんどを減損処理したMicrosoftがAtlasを売却しようとしていることは以前から報じられていた。直近では、同社はニューヨークを拠点とする広告企業AppNexusと交渉していた。
広告主や広告代理店はAtlasを利用してウェブサイトに広告を掲載し、その効果を測定できる。AT&Tなどの大企業にオンライン広告キャンペーンの提供及び追跡で利用されてきたが、近年はライバルに顧客を奪われ、シェアを落としている。Atlasは、Googleが31億ドルで買収したDoubleclickと競合する。GoogleによるDoubleclick買収は、MicrosoftがaQuantiveを買収する直前のことだった。
Atlasの買収は、ゼロから競合製品を開発することなくGoogleのDoubleClickに対抗できる手段になるため、Facebookにとって賢明な動きであると思われる。また、Facebookがサードパーティー広告ネットワークを構築しようとしていることを示す動きであるとも考えられる。サードパーティー広告ネットワークの構築は多大な収益源となる可能性があり、Facebookにとっては必然的な選択かもしれない。非常に多数のサイトが「Facebook Connect」でFacebookと連携しているため、Facebook外のサイトに対してディスプレイ広告を提供すれば、Facebookそのものにいっそう多くの広告を詰め込むよりも、理にかなった方法で同社は事業を拡大できるからだ。
MicrosoftはAtlasを通して、広告主が複数のウェブサイトにわたるキャンペーンや検索上のキャンペーンを構築できるように支援する多様なツールを提供している。Facebookが2013年1月、ソーシャル検索サービス「Graph Search」を一部のユーザー向けに提供開始していることを考えると、Atlas買収はますます理にかなった動きであるように思われる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」