ミクシィは2月6日、2012年度第3四半期(10月~12月)の決算説明会を開催した。2012年4月から12月の連結累計売上高は99億2200万円(前年同期比4.1%増)、営業利益は23億4200万円(同69.0%増)、経常利益は23億4900万円(同91.6%増)。四半期純利益は16億2100万円(同241.7%増)となった。
前年同期比で増収増益を達成するも、第2四半期中に施行された新ガイドラインの影響もあって、アプリ課金は微増にとどまった。広告売上については、スマートフォン広告が順調に拡大。ネイティブアプリ向けの新広告商品「スワイプジャック」の提供も開始した。
ミクシィでは、1月24日に通期業績予想の修正を発表している。売上高は125億~130億円(前回予想は145億~155億円)、営業利益は24億~26億円(同22億~28億円)、経常利益は24億~26億円(同22億~28億円)、当期純利益は16億~18億円(同13億~16億5000万円)となっている。
通期の売上高については、ソーシャルゲームの新ガイドラインに対応したことや、ディー・エヌ・エー(DeNA)との業務提携を控えた新規タイトル抑制などを見込んで下方修正した。一方純利益については、コスト削減や2012年9月のコミュニティファクトリー売却にともなう特別利益が発生しているため、前回予想を上回る見込みだという。
また今回の決算より、公表するMAU(月間アクティブユーザー数)を変更。これまではフィーチャーフォンを含めた総MAUとスマートフォンのMAUを公表していたが、今回からはスマートフォンのMAU(ブラウザおよびネイティブアプリの合計)と、PCのMAUのみを公表するとした。(1ユーザーがPC、スマートフォンそれぞれでアクセスするとそれぞれMAU1人とカウントするとのことで、厳密な意味では1ブラウザあたりのMAUとなる)。2012年10月の総MAUは1441万人。これが2012年11月には1312万人、12月には1298万人と減少している。
同社では2012年10月末以降、スパムを送って外部サイトに誘導する業者や、ソーシャルゲームのリワード目的でアカウントを複数作成するユーザーなどを排除すべく、全ユーザーへSMS認証を実施するなど、不正対策を講じてきた。
結果として不正の摘発数はほぼ0にまでなったとのことだが、これが2012年10月以降の大幅なMAU減少へとつながった。「我々としては安心安全、ユーザーファーストなサービスを整備していくことがより実現できたのではないか」(ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏)
ただし不正対策でのユーザー減少を除いても、MAUは「微減している」(ミクシィ取締役の荻野泰弘氏)状況だという。今後は「mixi Xmas」のようなイベントで集客し、新機能を追加してアクティビティを向上させるといったサイクルを回すことで、MAUの拡大や収益化に務めるという。
新機能としては、訪問者のリアルタイム表示を1月より実施しているほか、近日中にも「mixiメッセージ」で120種類以上のスタンプを無料で提供する予定だという。
またミクシィでは1月にサブスクリプション型ECの「Petite jeté」および、スマートフォン向けコミュニケーションサービスの「mixiパーク」を終了すると発表している。いずれも短期間でサービスを終了したが、笠原氏は「(サービスの)閉鎖は発生するが、成功のためには欠かすことができない」と説明する。「新しい試みも小さく始めて結果を見る。仮説が正しかったかをすばやく判断し、続行するかしないか検討する」(笠原氏)。すでに開発中のサービスもあり、近日中にも公開する予定だという。
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