ミクシィQ2決算は増収増益--増えるスマホのMAUこそ「重要な指標」

岩本有平 (編集部)2012年11月02日 19時29分

 ミクシィは11月2日、2012年度第2四半期(7月〜9月)の決算説明会を開催した。売上高は32億7800万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は7億2300万円(41.4%増)、経常利益は7億1100万円(65.6%増)、純利益は6億4200万円(232.3%増)となった。前年同期比では増収増益となったが、一方ではソーシャルゲームの新ガイドライン施行にともなって課金売上が、フィーチャーフォンからスマートフォンへの移行にともなってフィーチャーフォン向け広告売上がそれぞれ前四半期から減少した。

 同社をはじめ、ソーシャルゲーム関連プラットフォーマー6社で組織するソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会(現:ソーシャルゲーム利用環境整備協議会)で5月に策定した「コンプリートガチャガイドライン」施行に向けたゲーム開発会社などの対応により、アプリ課金事業の売上は減少した。ただし10月以降に関しては、「回復の傾向が見えている」(ミクシィ取締役の荻野泰弘氏)状況だという。

 また、広告事業では、スマートフォン広告で出向者数、売上ともに拡大。7月に発表したスマートフォン向けバナー広告「ソーシャルエキスパンドアド」の受注も拡大しているという。ただその一方でフィーチャーフォン向け広告の減少幅が大きく、全体の売上高では前四半期を下回った。


ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏

 月間ログインユーザー(MAU)は9月時点で1402万人。前年同月は1516万人であり、減少を続けているが、一方でスマートフォンに関するMAUは863万人まで増加。「全体として(のMAU)より、スマートフォンのMAUやDAU(日間アクティブユーザー)が重要な指標。注視して成長を図る」(ミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏)とした。

 MAU減少については、SMS認証の導入をはじめとした不正ユーザーへの対応があったと説明。一方でFacebookやLINEなど競合の影響については「以前からFacebookやTwitterなどの競合もいた。ゼロではないが、特に影響がないと考えている」(笠原氏)「LINEに関してはスマートフォンユーザー向けだが、スマートフォンのMAUは伸びている。競合と切り離して考えていただければ」(荻野氏)とした。

 またミクシィでは、前回の決算以降、「ユーザーファーストの実現」「ユニット制の導入」を掲げている。前者については、ユーザーインタビューを定期的に実施するほか、ログ解析やABテストなどを通じた顕在化していない要望を拾い上げる、さらにリアルイベントの実施などを進めている。2013年1月には、以前から要望の多かった「訪問者(足あと)」のリアルタイム表示も試験的にリリースするという。

 後者に関しては、SNS「mixi」の機能ごとに合計25のユニット制とすることで、早いサイクルでPDCAを回し、新機能の追加や機能改修を実行しているという。また、8月に設立した新規事業部門であるイノベーションセンターからは「DeployGate」「Petite jeté」の2サービスを展開している。これらの組織改編で若手社員への権限委譲を行った結果、「社内は明るく、活性化している状態」だという。

 さらに同日、ミクシィはネットマイルのリサーチシステムを取得し、マーケティングリサーチ事業を開始すると発表した。2013年1月にネットマイルがリサーチシステムを新設分割し、同社をミクシィが取得する。取得価格は非公開となっている。

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