念のために書いておくと、Microsoftは「Internet Explorer(IE) 10」について、これまでのアップデートとは違って多くの非難を浴びるようなブラウザではないということを、ユーザーに心から理解してほしいと願っている。それを示す最新の例が、米国時間1月31日に発表されたウェブ開発者向けのツールセット「modern.IE」だ。
IE担当ゼネラルマネージャーを務めるRyan Gavin氏は30日に、米CNETとの電話インタビューで次のように語った。「さまざまなOSやブラウザを使ってサイトのテストを行うのは、今でも非常に難しい。当社の側では、ベストプラクティスを積極的に勧めることができる。その点についてはわれわれの方がうまくやれると分かっているので、開発者がテストにかける時間を減らして革新にもっと時間を費やせるようにツールとサポートを提供していく」
modern.IEの使い方はとても簡単そうだ。スキャンツールのテキストフィールドにURLをドロップすると、サイトの改善方法に関するアドバイスを記載したレポートが表示される。アドバイスは3つのカテゴリに分かれており、第1のカテゴリは、前々から指摘されていた、古いバージョンのIEへの対応から生じる問題を取り除く作業に関するものだ。
Microsoftは、modern.IEに資金と人的資源を投入している。Gavin氏の説明によれば、サイトに既知のバグや問題が見つかると、ツールによってバグIDが割り当てられ、開発者はIE担当のエンジニアリングチームへの問い合わせを要請できるという。「そうした特定のバグに協力して取り組んでいく。現在のところ、メールを受信してから折り返し連絡するまでに48時間で対応するようにしている」(Gavin氏)
modern.IEのスキャナーは、そのほかに開発者が自分で修正できる問題も検知する。この中には、旧式の「jQuery」ライブラリなども含まれるとGavin氏は述べた。jQueryは、開発者の91%が現在も使用しているので重要だという。この場合には、テストを最小限に抑えるために、互換性のある次バージョンのjQueryがレポートで推奨される。
スキャナーが検知するその他の問題としては、よくある互換性の問題やCSSのベンダープレフィックス、データベースライブラリの問題、条件付きコメント、現在好まれているフィーチャーディテクションではなく古いバージョンのIEを含んだブラウザ検出などがある。「(トラフィックやサイトボリュームの点で)上位5000に入るサイトの40%は、旧バージョンのライブラリを使用している」とGavin氏は説明した。
modern.IEのレポートを構成する第2の要素は、アップデートや水準の維持をしやすくする仮想テストツールセットだ。この部分に関してMicrosoftは、ブラウザテスト用エミュレータのBrowserStackと協業することで、ハードウェア、OS、ブラウザのあらゆる組み合わせでもテストできるようにしている。同サービスは通常、月額約20ドルで利用可能となっているが、最初の3カ月間はMicrosoftが負担するとGavin氏は述べた。
また、modern.IEのレポートを構成する第3の要素は、進化するコーディングのベストプラクティスを提案するものとなっている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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