生放送の活用でプロモ効果を増大--niconicoのアニメ戦略 - (page 2)

佐藤和也 (編集部)2013年02月01日 10時46分

 生放送のなかには、アニメ一挙放送という施策も行っている。大体アニメの1クール分に相当する話数を一気に配信するもの。主に視聴者が多く集まる土日祝日に編成。6時間から12時間ぐらいかけて配信するため、多くのユーザーが集まりやすいこともあってか、おおむね映像メーカーからの依頼を受けて実施するものが多く、主にDVDやBlu-rayの発売やイベントにあわせた販促、あるいは第2期以降の放送開始前にそれ以前の一挙放送を行い、視聴を促すプロモーションを目的としている。

実施したアニメ一挙放送の一部
実施したアニメ一挙放送の一部

 また大型連休の際には、一挙放送そのものをひとくくりにして、連日実施することにより、さらなるプロモーション効果を計っている。2012年の夏休み時期には16日間連続11タイトル、冬休みの年末年始時期には約2週間で全15タイトルを放送した。ちなみにこのようなときは一挙放送の編成のために、ニコニコ側から打診をして権利を取得することもあるという。

 そしてこれまでにアニメの一挙放送は200回以上を実施し、総来場者数は4101万2130人、総コメント数は6357万6780件にも及ぶ。

アニメプロモーション番組の事例
アニメプロモーション番組の事例

 このほかアニメのプロモーション番組の制作にも触れられた。新作アニメの発表会やアーティスト出演による映像や音楽プロモーションなどが目的。ネット配信では基本的に人数的なキャパシティが無いことから、多くのユーザーにリアルタイムで発信が可能となり、さらにソーシャルメディアによるコアユーザーからライトユーザーへの情報の拡散や循環していくことを狙っている。

 イベントやライブの生中継についても、無料放送を有料放送で行っている。無料放送に関してはプロモーション番組の狙いに近く、イベント会場に行けないファンでもリアルタイムで最新情報に触れたり共有することにより、プロモーションフィールドの拡大を目的としている。ちなみに事例に挙げられたなかでは、2012年3月31日に行われたアニメコンテンツエキスポ2012における生中継は、当日が荒天による主要アクセス機関が止まっていたこともあってか、より多くの視聴者があったという。

イベントやライブ生中継での事例
イベントやライブ生中継での事例

 また有料放送については、ネットチケット販売による収益化が狙い。人気ロックバンドやアーティストの一般ライブ、格闘技などのスポーツコンテンツに需要がありアニメ系のものはまだ少ないものの、2012年7月に行われた「ビジュアルアーツ大感謝祭20周年記念ライブ」や、同年12月に行われた「アイドルマスターシャイニーフェスタ+シンデレラガールズスペシャルパーティ」などで実施している。

  • テレビ放送よりも先行生放送を行った「生徒会の一存 Lv.2」でのプロモーション展開。これまでの事例に挙げられた新作発表会、一挙放送、イベント中継を行い本編の放送を実施。30分アニメにおける来場者数は1万人から3万人いれば多いほうとされるなか、第1回は5万人以上を集めた

  • 劇場アニメ「009 RE:CYBORG」での事例。前売り特典を一緒に企画する事前番組や、制作会社の一挙放送、試写会イベント生中継を実施

  • 「猫物語(黒)」での事例。記者発表会や関連作品の一挙放送を実施。ユニークなのは、ニコニコニュースで「ねこだいすき」というカテゴリーを作成し、トップページなどでの露出を図った

 小川氏は今後の展開について、プロモーションから収益化まで一体化した形で、許諾を得たアニメを公式生配信やVOD有料配信を通じ、収益を分配するというスタイルを一貫として行いたいとしている。また許諾を得ているものはまだ少ないものの、海外展開としても英語版や台湾版のサービスを開始したほか、海外動画サイトと連携して、正式許諾を得た日本のアニメ作品の配信を始めている。「外側から見ると不思議なようにも思えるが、社員一同真面目に取り組んでいる。今後アニメビジネスを引っ張る立場にはなれないと思うが、ビジネスの収益還元やプロモーションのお手伝いが続けられたらと思っている」(小川氏)

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