Facebookが「Graph Search」ツールのベータ版を限定公開した2日後、Microsoftは同社の「Bing」検索エンジンの機能強化を行い、Facebook上における友人の近況アップデートに対して、より直感的かつ容易にアクセスできるようにした。
検索エンジン第2位であるBingは米国時間1月17日、Facebook上における友人の近況アップデートやその他の情報が、Bing上のソーシャルサイドバーに表示できるようになったと発表した。Microsoftは「Bingでは、Facebook上における友人の情報を5倍多く検索できるようになった」という、やや分かりにくい主張を行っている。ただし、その意味するところは完全には明らかになっていない。
ページの右側に配置されるソーシャルサイドバー上には、Twitterやfoursquare、Kloutといったソーシャルネットワーク内にある、検索語に関連したものが表示される。今回の機能強化によりこのサイドバーには、Facebook上における友人の近況アップデートや、リンク共有、コメントのうち、検索語に関連したものも表示されるようになった。また、このサイドバーではFacebook上における友人の写真を、より詳しく表示することにも力点が置かれるようになった。
Bing担当のコーポレートバイスプレジデントDerrick Connell氏は米CNETに対して「Bingではこれまで、検索語と関連のあるデータを、Facebook上における友人がどういったものに対して『Like(いいね!)』ボタンを押しているのか、あるいは彼らがどこに住んでいるのかや、どこで働いているのか、どの学校に通っていたのかといったFacebook上のプロフィールにのみ基づいて抽出していた」と述べるとともに、「現在では、近況アップデートや、リンク共有、共有されている写真、コメントからも、検索語に関連するものを抽出するようになっている。こういった新たなデータをすべて集めると、Bingはユーザーごとに約5倍の情報を検索できるようになったということになる」と述べている。
Facebookの新しいGraph Searchツールがより多くのユーザーを対象とし、近況アップデートを検索対象に含めるようになるまで(その検索対象は写真や場所、人、関心に限定されている)、友人が過去に行ったFacebookへの投稿を検索する最善の方法は、Bingの検索エンジンということになるかもしれない。これは少し後ろ向きに感じてならない。そう思わないだろうか?
Bingがより多くのFacebookデータを検索対象とするようになったことで、ソーシャルサイドバーにもともと存在していた弱点が解消されている。Microsoftが2012年5月にソーシャルサイドバーを紹介した際には、疑問の解消に力を貸せる潜在的な「専門家」を友人のなかから検索し、提示することに力が注がれていた。専門家への橋渡しという目的はまだサイドバーのエクスペリエンスの一環として残されているものの、現在では明確化されているというよりもメタファーとしてとどめられているにすぎない。Bingはようやく、教えてくれる人を紹介するよりも直接答えを提示したほうがよいという、当たり前のことに気付いたようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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