ソーシャルTVサービスとは何か

ソーシャルTVサービスのビジネスモデルと可能性(1)

許 直人(ループス・コミュニケーションズ)2013年01月10日 10時00分
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 皆さんは、ソーシャルTVと聞いて何を思い浮かべるでしょうか? iTV、Google TV、Join TVなどがあります。IT業界の方であればGetGlueやMisoなどのアプリを思い浮かべるかも知れません。

 Trendrrの分類によるとソーシャルTVというカテゴリには非常に多くのサービスが含まれます。それは、ソーシャル番組表、放送用コンテンツマネジメント・システム、テレビ特化型SNS、オンライン動画、デバイス製造、リモコンアプリ、コンテンツチェックインアプリ、ソーシャルビューイングアプリ、討論用SNS、リワードシステム、放送商品購買システム、視聴動向分析システム、コンテンツ検索&マッチング、権利販売、メタデータ販売、キュレーションビジネス、広告配信プラットフォーム、共有テクノロジーなどなど。サービス名まで挙げていけばきりがありません。

Social TV Ecosystem 2011 / 2012 by trendrr Social TV Ecosystem 2011 / 2012 by trendrr
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 同社の分類に従うなら、要するにソーシャルTVとは、テレビに関するネットの周辺ビジネスすべてを指します。2012年には3兆ドルの巨大市場になるという予測もあります。

 それほど広大なソーシャルTVの世界ですが、ここ日本ではどのような動きが見られるのでしょうか? 私が2012年8月から参加しているソーシャルテレビ推進会議より情報提供を受け、日本での状況を整理してみたいと思います。

ソーシャルTVとは何か

 前述のTrendrrが指し示すソーシャルTVのコンセプトがあまりにも大きいのですが、本稿では「テレビのビジネスモデルにインターネットのパラダイムを組み込むこと」をソーシャルTVと表現します。チャネルやハード、テクノロジーの問題ではなく、ビジネスモデルを指します。しかもテレビに根ざしたものです。

 まったく「ソーシャル」じゃないんですが、まあバズワードって字面と実態がかけ離れていることが多い傾向もあります。なにしろ「インターネットテレビ」じゃ格好が付きませんしね。

米国でのソーシャルTV系サービス

 Torendrrが示した、広い視点での「ソーシャルTVエコシステム」から少し焦点を狭め、BtoCのサービスという観点ではどのようなものがあるでしょうか。「ソーシャルTV系サービス」として紹介しましょう。

 グリーと共同で自らもソーシャルビューイングアプリ「emocon」を提供しているジェネシックスの中山理香さんが、ソーシャルテレビ推進会議で公開した資料を紹介します。

 以下のようなカテゴリに分類されています。どれも機能が多いため、大雑把に分類しています。全体の傾向をつかむくらいの目的で利用してください。また、ほとんどのアプリがFacebook、Twitterとの連携機能を持っています。この2つのソーシャルサービスに対応することはアプリのスタンダードになっているようです。


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ソーシャル系

 GetGlueやTunerfishのような、テレビコンテンツを題材としたユーザー間コミュニケーションを主な利用用途としたアプリ群です。番組のお薦めやチェックイン機能、ほかのユーザーのコメントをタイムラインで閲覧したりすることができます。

レコメンド系

 PeelやFanhattanのように、ユーザーの視聴動向を基にした番組のレコメンド機能に力を入れているアプリ郡です。レコメンドだけではなく、ほかのソーシャルビューイングアプリが持つようなコミュニケーション機能やシェア機能も実装されているケースが多いようです。特にテレビのチャンネル数が200から300と多く、たくさんの番組コンテンツが存在する米国のユーザーニーズにマッチしていると言えます。

コンテンツ特化&コマース系

 ここには、Playupのようにスポーツ観戦など特定のコンテンツに特化したアプリや、eBayが提供するWatch with ebayのようにテレビ番組と連動した商品購入アプリが分類されています。Shazamは、流れている音楽を識別してユーザーに表示するアプリですが、ペプシコーラのCMなどで流れている音楽を読み込ませることで参加できるキャンペーンで、テレビとの連携が注目されました。

番組ガイド系

 iTVやTV Guide Mobileのような番組表機能に注力されているアプリです。チャンネル横断的に利用できるアプリのほかにも、NBCのNBC AppやABCのABC Playerのように放送局が主体となって提供しているものや、有料放送を前提としたものもあります。

多機能系

 ここまでに出てきた機能を広くカバーする多機能なアプリです。IntoNOWは番組ページやタイムラインだけでなく、音声認識によるチェックイン機能やチャット機能、キャンペーンとの連携機能など豊富な機能を持っています。放送されている番組と連動して画面キャプチャが流れてきて、そのままシェアできるなどUXと著作権問題を同時にクリアするUIもあります。

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