余談をはさみましたが、続いて、日本での状況を見てみましょう。
サービスの本数だけを見ると、米国に比べて随分寂しい状況と言えます。また、アプリのカテゴリにも偏りがあります。
これには、日米のテレビ視聴環境の違いが関係ありそうです。前述したように、200、300と多くのチャンネルがある米国に比べ、日本は民放キー局に加えてNHK(総合・教育)の7チャンネルが視聴率の大半を占めています。BSやCSも増えてきているものの、まだまだ主流ではありません。このような環境の違いから、日本では「番組検索」のニーズ自体が少ないと言えます。
加えて、国土が広くアラスカとハワイを除いても国内で「太平洋(Pacific)」「山地(Mountain)」「中部(central)」「東部(eastern)」と4つのタイムゾーンがある米国に比べ、番組の流通ルートも豊富で放送時間もまちまち。同時視聴の文化は根付き辛いようです。一方、日本のタイムゾーンは1つだけ。全国民が、同じ時間に同じ番組を楽しむというリアルタイム視聴は実現しやすいと考えられます。
また、テレビ番組というコンテンツとテレビ局という流通の結びつきにも大きな違いがあります。テレビ番組は、多くの場合テレビ局が制作会社に外注して制作します。納品された番組コンテンツの権利はテレビ局側が保有するため、放送以外で利用する際にも基本的にはテレビ局が流通を管理します。米国では1つのコンテンツを複数のチャンネルで放送できるよう権利が分散されているため、ネットでの再利用に当たっても権利関係の調整がしやすいのだそうです。
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