米航空宇宙局(NASA)は2015年頃、映画「トイ・ストーリー」のバズ・ライトイヤーが着ていたものとおもしろいほどそっくりな宇宙服を導入する計画だ(光るレーザービームは除く)。
笑う前に、おもちゃが着るものではないことを知ってほしい。NASAの宇宙服「Z-1」には、以前のデザインに比べ多数の利点がある。未来のNASAの宇宙服の基本構造として見てほしい。
新たに追加された最大の利点の1つは、背面から入る形のハッチだ。宇宙飛行士が後ろから宇宙服を着ることができ、背面のハッチを閉じることで着用完了となる。現在の船外活動ユニット(EMU)宇宙服は、1982年から利用されているが、上下を別々に着用してから接続する必要がある。着用や接続の作業が減れば、船外活動や宇宙人の世界の探索により多くの時間を費やすことができる。
背面ハッチと併せて備わった新たな特長がある。宇宙服を宇宙船外に備えておけるというものだ。この宇宙服は、内部ではなく宇宙船(惑星探査機など)の外部に備えておくことができ、宇宙飛行士は船内から宇宙服内部に入ることができる。機動力に関しても、Z-1は群を抜いている。肩の接続部分が改良され、可動性が高まった。また、大型化したバブルヘルメットは、宇宙飛行士の視界を向上している。
Z-1のプロトタイプ試験を進める一方、NASAは「PLSS 2.0」として知られる、宇宙服に直接備え付ける携帯用の生命維持装置の改良型への取り組みを続けている。PLSS 2.0は、必要な生命維持装置を単一のバックパックにすべて収めており、二酸化炭素を除去しやすくするためのキャニスターを必要としない。
PLSS 2.0には、さらにもう1点大きな特長がある。「Spacesuit Water Membrane Evaporator」という温度調節装置だ。これによって未来の宇宙飛行士が地球外の土地を快適に歩けるようになる。NASAのPLSSエンジニアであるCarly Watts氏は、「火星の環境でも利用できる。凍結しても装置は損傷せず、汚染の影響もそれほど受けやすくはない」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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