米航空宇宙局(NASA)の研究者は、非常に興味をそそる火星での発見についてほのめかしていたが、皆さんは何を期待していただろうか。
NASAの調査員であるJohn Grotzinger氏が、火星探査機「Curiosity」からのデータが、きわめて大きな意味を持つ発見の可能性を示唆していると語ったことが報じられた。しかしここでお伝えするのは、公式に発表された残念なニュースである。
NASAは米国時間11月29日、Curiosity内の化学研究室で分析した土壌サンプルからは、特に重大な発見はなかったことを認めた。
「このような初期の段階で、今回のミッションにおける大規模な新しい発見があるといううわさや推測があるが、それは誤りだ」と、NASAのジェット推進研究所(JPL)は声明で述べた。
「Curiosityが検出しようとしている物質の1種は有機化合物、つまり生命の構成要素である可能性がある炭素含有物質だ。このミッションの現段階では、Curiosity上の機器は、火星の有機物の決定的な証拠を検知していない」(JPL)
NPRが20日の報道で示唆したように、火星の土の中に有機化合物が発見されていれば、火星にかつて生命が存在した、あるいは現在も存在するという見方が強まっていただろう。
JPLは、Curiosityの次の記者会見は12月3日に米国地球物理学連合の会議で行われる予定であるとも付け加えた。またJPLは、Curiosityが収集できたものに関してむしろ前向きにとらえていた。
「Mars Science Laboratoryのプロジェクトと火星探査機Curiosityは、火星のゲイルクレーターの状態が微生物の生命に適している可能性について調査する2年間の主要なミッションのうち、まだ4カ月にも達していない」とJPLは指摘した。
「このミッションではすでに、火星上に太古の川床を発見しており、注目すべき発見がまだこれからあることを十分に期待できる」(JPL)
Grotzinger氏による「このデータは歴史書に載るものになる。本当に素晴らしい」という発言は、前後を無視して引用されたようで、実際には火星のミッション全体について述べたものだ。
Mashableが指摘している通り、CuriosityのTwitterでは、22日に次の通りツイートしていた。「私が火星で何を発見したかって?オンラインでうわさが広まるのは速いということだ。私のチームは、このミッション全体を『歴史書に載るもの』だと考えている」
つまり、すべては誤解だったようだ。しかし、ミッションを指して「このデータ」と言うのは、一般的に見ると確かに奇妙だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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