このikupeelではどうやってケータイとして使うのだろう。まずは本体の上部をスライドさせる。すると上下に分離し、上部側すなわちキーパッドやディスプレイのある側にSIMスロットやバッテリが装着されているのが見える。つまりこの上部側そのものがフツーのケータイになっているわけである。この部分は結構薄く、このサイズでケータイを作るくらいトンデモメーカーにとってはお手の物なのだろう。
バッテリは1800mAhとただのケータイとしては容量が大きい。バッテリをはずしてSIMスロットにSIMカードを2枚装着し、バッテリを戻してから本体を逆にスライドさせれば準備はOKだ。そしてikupeelの裏側にiPhone 4またはiPhone 4Sをはめ込めばよい。この際iPhoneの電源が入っているか入っていないかは関係ない。iPhoneにとってikupeelはただのジャケット型のカバーに過ぎないからだ。
装着してみるとさすが専用品だけあってみごとに一体化する。質感もいいのでアップルストアで販売されてもおかしくない──なんて勘違いしてしまうほどだ。もっとも、こんな怪しい周辺機器が正規に販売されることは永遠にないだろうけどねえ。そして側面は音量ボタンやSIMスロット部分が欠き取られているのでこのまま各種操作も可能である。
ではiPhoneの装着前、装着後、いずれでもよいのでikupeelの電源を入れてみよう。トンデモケータイにありがちな適当なスタートアップアニメのあと、ケータイ部分が起動する。あとはフツーのケータイとして利用可能だ。もちろんiPhone側で通話中であっても、ikupeel側で着信したり発信することもできる。ikupeelはSIMカード2枚の同時待ち受けも可能なので、iPhoneと合わせてなんと3つの携帯回線を同時待ち受けできちゃうわけだ。
ikupeelの機能は他にはたいしたものはない。ゲームを搭載していないのはiPhone側でゲームをやればいいからだろう。写真や動画の再生もできるものの、ikupeelにはカメラがない上に、iPhoneがあるのにわざわざこちらで再生するような物好きもいないだろう。ディスプレイは4096色程度と思われ、ドットも荒いので通話以外の用途に使うのも難しそうだ。
さてここまでの機能だけならあまり利用価値のない製品で終わってしまうかもしれない。だがこのikupeelは「内部にiPhoneコネクタ」を持ち、なおかつ「1800mAhの大容量バッテリ」を搭載している。そう、なんとikupeelのバッテリを使ってiPhone 4/4Sを充電できるのだ。使い方はikupeel下部のスイッチをONにするだけと簡単だ。ikupeelの電源を普段切っておき、非常時の通話用ケータイ&iPhone用の外部バッテリとして使うのもいいかもしれない。
うーむなんだかかなり使えるいい製品ではないかikupeel。初期のころの製品から改良が加えられているということはそれだけ需要のある製品なのかもしれない。GSMにしか対応していないがこれはぜひ3Gにも対応して欲しい。とはいえそうなると値段も上がっちゃうし「だったらデータ通信も」なんて欲がでちゃうのでこのレベルの製品で留まっているのがいいのかもしれない。
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