韓国のスマートフォンメーカーであるサムスン電子は欧州の複数の国において、Apple製品の販売差し止め請求を取り下げた。「消費者の選択を保護」したいためと主張している。
米国時間12月18日にサムスンからの声明を入手したThe Vergeによると、同社は、ドイツ、英国、フランス、イタリア、オランダで請求を取り下げる予定だという。
Foss Patentsの法務コンサルタントであるFlorian Mueller氏は、サムスンはその声明の中で訴訟については実際にはまったく触れておらず、同社は今でも賠償金の請求は続けていると述べた。サムスンは、今でも賠償金を求めていることを認めている。
サムスンは、同社の特許をAppleが侵害したと訴えている。問題の特許はワイヤレス技術に必須であると考えられているものである。Appleは、サムスンが特許を公平にライセンス提供しようとしなかったと主張している。つまり、公平、合理的、非差別的というFRANDの原則に従うべきところを従っていなかったとしている。
欧州委員会(EC)は、サムスンが自社の必須特許をライセンス提供する方法について、欧州連合(EU)の法律に違反したかどうかを調査していた。必須特許とは、基本的な製品の構築においても必要であるとして業界が合意した特許のことである。
サムスンは、裁判所よりも市場で争う方がよいとして、Apple製品に対する販売差し止め請求を取り下げるつもりだと述べた。
この訴訟は、Appleとサムスンが知的財産をめぐって繰り広げているより大きな戦いの一部である。両社は世界中のさまざまな裁判所において互いを提訴しており、得られている結果もさまざまとなっている。Appleは、米国における大きな裁判で圧倒的に勝訴したが、これとは関連しないもう1つの裁判の審理がまだ、2014年に予定されている。
サムスンによる声明の全文は以下のとおり。
サムスンは、自社の技術を公平、合理的、非差別的という原則に従ってライセンス提供することを今後も引き続き心がけるつもりであり、裁判所よりも市場で争う方がよいと強く考えている。この精神に基づき、サムスンは、消費者の選択を保護することを目的として、欧州の裁判所において係争中のわれわれの標準必須特許に基づくAppleに対する販売差し止め請求を取り下げることを決定した。
米CNETは現在、Appleにコメントを求めているが、まだ回答は得られていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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