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LINE、パズドラ、モバマス--ゲームメディア編集者が見たモバイルエンタメの1年

佐藤和也 (編集部)2012年12月19日 10時30分
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 12月13日、サイバーエージェント・ベンチャーズにて「エンタテインメントの未来を考える会 黒川塾(四)」と題したトークセッションが行われた。エンタメ系コラム執筆などの活動を行っている黒川文雄氏が主催・コメンテーターとして、エンタテインメントの原点を見つめなおし、未来についてポジティブに考える会となっている。

黒川文雄氏
黒川文雄氏

 今回はゲーム・エンタメ系メディアの編集に携わる3名を招いて、2012年のエンターテインメントのトピックを振り返りつつ、勝手賞という位置づけながら、エンタテインメントの未来を考える大賞を決めるというテーマのもとに実施した。登壇したのは、「インサイド」などイードが運営するゲーム系メディアを統括する土本学氏、エンターブレインでスマートフォン向けゲームを中心にした情報サイト「ファミ通App」編集長の目黒輔氏、朝日インタラクティブで元「GameSpot Japan」編集長、現在は「CNET Japan」編集記者の佐藤和也の3人。

 冒頭で黒川氏がこの1年を振り返り、前半はコンシューマゲームメーカーが厳しい状態であり、隆盛を極めているソーシャルゲームにおいても5月に話題になったコンプガチャ問題で「一旦冷静になろう」という空気が流れたと指摘。そして秋からは、いいゲームを作って世の中に出しユーザーに評価されるという、本来のゲームの流れになったと語った。このあと各人が思う2012年のトピックなどが語られた。テーマとしてモバイル関連に限定されたものではなかったが、奇しくもソーシャルゲームやモバイルコンテンツの話題が中心となった。

土本学氏
土本学氏

 まず話題に上ったのがNHN Japanの通話アプリ「LINE」。全世界で8000万人、日本国内でも3600万人の登録ユーザーを持ち、パズルゲーム「LINE POP」は、サービス公開12日で世界累計1000万ダウンロードを突破するなど勢いはすさまじい。マスコットキャラクターのブラウンが好きという土本氏は、ゆるいキャラクターと世界観が魅力であると分析。海外で生まれた「Angry Birds」も広まっているが、日本発のものもまだまだいけると感じているという。

 また目黒氏の「スタンプが発明品」という意見には全員が同意した。「新しいスタンプを見せるという会話のきっかけにもなり、スタンプのやり取りだけで会話が終了することもある。新しいコミュニケーションの形になっている」(目黒氏)。また黒川氏も、LINEがネットサービスかエンターテイメントかで意見が分かれそうなところに触れ「人とのコミュニケーションがエンターテイメントである」という持論を展開し、それを円滑にするスタンプを高く評価した。

 多くの登録ユーザーを背景に、LINEは「LINE GAME」としてゲームプラットフォームも展開している。それに触れ、MobageやGREEとの今後や比較なども語られた。MobageやGREEがSNS上での関係を主としたバーチャルなリアルグラフであるのに対し、LINE GAMEは端末での友人関係を主としたリアルグラフとなっている。「例えば他人と戦うゲームでもあとくされがないといった、バーチャルでの良さはある」(目黒氏)としながらも、LINE POPが1000万ダウンロードを達成したようにリアルグラフだからこその拡散性という利点もあり、両方の利点をいかにゲームとして落とし込むかに注目しているという。

 ちなみにネイティブアプリとして提供されるソーシャルゲームは、App StoreとGoogle Playというアプリマーケットでのダウンロードにも関わらず、GREEおよびMobageのプラットフォーム上で提供されるという2重構造になっているものもある。土本氏はプラットフォームの上にプラットフォームを載せる構造はないと指摘し、「動きを見ると、MobageもGREEもゲームパブリッシャーになろうとしているように感じる」と推察した。

 自ら「任天堂信者なので」と語る土本氏が気になっているものとして挙げたのはWii U。「モバイルデバイスにみんなの目がいっているけれども、リビングでもまだまだ面白いことができる余地がある」(土本氏)とし、リビングにありながらGamePad単独でも遊べる設計思想が面白く、期待を寄せているとした。また大きい画面で触って遊ぶというニーズについては、解像度が高く情報量も多くなるので直感的ではなくなるとし、GamePadの大きさがほどよく、いろんな姿勢で楽しめるということを利点として評価していた。

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