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LINE、パズドラ、モバマス--ゲームメディア編集者が見たモバイルエンタメの1年 - (page 3)

佐藤和也 (編集部)2012年12月19日 10時30分
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 最後に筆者が当日話したことで、個人的にという前提でこの1年を振り返ったとき、ソーシャルゲームのIPとして派生したマルチメディア展開に動きがあったと考えていた。これまでもソーシャルゲームを題材にした横展開はあったが、グリーがグリーエンターテインメントプロダクツを設立し、自ら「探検ドリランド」のアニメ化やグッズ販売などを展開。今後も映像作品への投資を行うとしているので次の一手には注目できる。また、KONAMIがMobageで配信している「戦国コレクション」をアニメ化。女性武将たちが現代にタイムスリップするというゲームとは異なる展開を用いたことなど、この動きというのは大手ゲームメーカーのマルチメディア展開らしさを感じさせた。

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佐藤和也

 そんななかでも筆者がテーマにしたのは、Mobageで配信しているバンダイナムコゲームスの「アイドルマスター シンデレラガールズ」。このタイトルについては、既存のIPタイトルながらその人気だけでなく、蓄積した強みを活かして全く新しいIPを生み出している点。そしてそのキーとなっているのが音楽CD「シンデレラマスター」シリーズだと思う。

 熱狂的なファンが存在するアイマスシリーズの人気を一言で語るのは難しいが、筆者がいちプロデューサーさん(アイマスシリーズにおけるファンの呼称。ゲーム内におけるプレイヤーの立ち位置からきている)であったりメディアの仕事として、アーケード版のロケテスト時代から約8年間見ていて、アイマスは歌の力に支えられたコンテンツであると考えている。ゲームリリースの間を埋めるように新曲などを収録したCDをリリース、ライブイベントの開催、ゲームのダウンロードコンテンツとして配信するなど途切れることなく話題を提供し続けた。その積み重ねによるクオリティと実績の高さは、CEDEC AWARDS2012のサウンド部門で最優秀賞を受賞したことや、多くのCDを発売している日本コロムビアが、アイマス関連のCDとライブなどの映像商品について、累計200万枚出荷したことを発表していることからも伺える。

 4月18日に発売された第1弾のCDは5種類同時発売され、オリコンウィークリーチャートですべてトップ10入りを記録した。ただ、単に売れた売れない以上に、まだソーシャルゲームでボイス付きというのがそれほどウリとして多くなかったタイミングでキャストをつけたことでファンのニーズに応えたこと、そしてキャラクターの魅力を歌という、アイマスの得意分野であるフィールドに持ってきて増幅させたこと、またキャストを使ってのラジオ展開など、コンテンツに対しての距離感をより近づけたことに大きな意味があったと感じている。

 第2弾が発売され、第3弾も来年に発売予定となっており、ファンからは楽曲もさることながら「次はどのアイドルが?」「キャストは?」というのは強い関心事になっている。またCDのためにつけられたキャストではあるが、ゲームのボイス機能の実装でフィードバックされ、またゲーム内イベントでも、キャラクターの成長物語が追体験できるようなストーリー性のあるものも見受けられるなど、なかばアイドル(キャラクター)を創出するプラットフォームという見方もできる状態だ。

 今後スマートフォン向けのゲームの表現がリッチなものになっていくにつれて、ゲーム作りだけではなく、こういった外側の展開もコンシューマゲームメーカーにはノウハウがあり、活躍できる場があるのではないかと思う。また、ソーシャルゲームをネットサービスととらえるかエンターテイメントととらえるかはそれぞれであり、さらに横展開というのも多大な労力やコストなどもかかるが、さらなる激戦が予想されるスマートフォン向けゲーム市場において他タイトルの差別化や認知度、満足度の向上、なにより長く育てていくという長期的展望に立ってデバイスの外で展開を図ることも考える必要があるのではないかと感じている。

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