大前研一氏「起業家こそ経営の勉強をせよ」――企業が“挫折”する7つの理由

岩本有平 (編集部)2012年12月14日 19時05分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 「なぜベンチャー企業は挫折するのか? それは経営の勉強をしないからだ」――12月11~12日に開催された経営者向け招待制イベント「Infinity Ventures Summit(IVS)2012 Fall Kyoto」。2日目にはビジネス・ブレイクスルー代表取締役社長でビジネス・ブレイクスルー大学学長の大前研一氏が登壇。「グローバルで成功する経営者になるための条件」をテーマに講演を行った。

 大前氏は、企業が「挫折」をする7つの理由について語る。まず1つめは「経営の勉強をしないで事業がうまくいくと『俺は経営者だ』と思ってしまこと」だ。経営を学ばないまま製品やサービスがヒットしても、「言ってみれば『目をつぶって打ったところがホームランになっちゃった』というものだ」(大前氏)という。

 大前氏はマッキンゼー出身のディー・エヌ・エー(DeNA)創業者の南場智子氏やエムスリーの代表取締役社長の谷村格氏、日本興業銀行出身で楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏などの名前を挙げ、彼らがそれぞれ前職で経営の勉強をした上で起業していると説明。そういったバックグラウンドがある起業家こそ、組織や新戦略について柔軟に考えることができるのだと説く。


ビジネス・ブレイクスルー代表取締役社長でビジネス・ブレイクスルー大学学長の大前研一氏

 2つめは「人材育成をしない」ということだ。たとえば創業者3人が儲かって、他の社員のモチベーションが低いというベンチャーも少なくない。経営組織も強固でなく、教育を受ける機会もないと、「創業者の同好会になってしまう。同好会は仲違いで別れて終わるか、一緒に倒れるかしかない」(大前氏)。経営は国も宗教も生まれ育ちもキャリアパスも、異なった人を集め、育成して、組織力、人材力で勝負できるようにしないといけないとした。

 そして3つめは「ダイバーシティ(多様性)が足りない」ことだという。米国ベイエリアのスタートアップであれば、創業2、3年でIBMやHewlett-Packardなどの退職者を社内に迎えるなどして、年齢や経験の面で多様性を持つことが少なくない。加えて分野や国籍、人種といった面での多様性を持つことが必要だという。「インドに行こうと思えばインド人がいるということ。グローバル化のフェーズで非常に加速を生む」(大前氏)。

 4つめは「人格を磨かないこと」だ。社会性が足りない、とならないよう「人の道」を学ぶべきだとした。「若いのに経団連や(経済)同友会に入ってはいけない。あれは墓場に行く10年前でいい。群れることを考えずに人格を磨いてほしい」(大前氏)。

 5つめは「成功したと思ってエスタブリッシュメント(支配階級)と付き合うこと」だ。4つめの理由である、「群れる」ということとも近いが、「そんなことは孫の代でやればいい」と大前氏は断言する。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加