——MidoNetについての話を伺いたいと思います。これはどのように機能するのですか?
ネットワークの下層部分を取り扱う機器としては、スイッチやルータがあります。われわれのソフトウェアは基本的に、計算処理を行うホストや、クラウドに接続されるエッジサーバといったx86ベースのコンピュータ上で稼働します。簡単に言うと、このソフトウェアはクラウドにおける知的なネットワーク処理を引き受け、ファイアウォールやロードバランサ、スイッチ、ルータ、NATデバイス、L2とL3の分離といった機能をユーザーに提供するものです。
土台となるネットワークについてですが、物理ネットワーク上にこういった機器を実際に接続するわけではありません。実際に行っていることをイメージしてもらうためにまず、ホストコンピュータやx86搭載機器すべてが並べられた大きな円を想像してみてください。この円の中心がネットワークになるわけです。われわれは、ネットワークにおける知的処理を円の縁の部分にまで押し広げようとしているのです。これにより、拡張性に制約がある中継デバイスを間に挟まなくても済むようになるため、はるかに安価なネットワークを構築できるようになるというわけです。
こういった中継デバイスを間に挟むのは、良いことではありません。われわれは、ユーザーの成長に合わせ、必要とされるレベルのサービスを提供していきたいと考えています。MidoNetを使うことで、ユーザーはプロバイダーと連携し、非常に堅牢な物理ネットワークをCisco Systemsの1/10のコストで構築できるようになるのです。
ネットワークにおける知的処理を円の縁の部分にまで押し広げることで、ネットワークを安価に構築し、運用コストも抑えられるようになります。このわれわれのモデルは、物理デバイスにまったく手を付けない、つまりオーバーレイレイヤでしかないという点で優れたものと言えます。物理世界に関与する必要性はずっと少なく、必要となるのはMidoNetのホスト間をつなぐためのIP接続だけなのです。
このモデルにおいて、われわれのソフトウェアを稼働させているネットワーク上のすべてのホストが、大域的なルータのグリッドを構成するネットワークカードとして機能することになります。つまり、すべてのマシンが巨大な1つのルータを構成するパーツになるわけです。このため、どこかのマシンが故障しても、すぐにそのことを検知し、即座にシステムのトポロジを変更できます。そして、故障したマシンにはトラフィックが送られないようになるわけです。クラウドのネットワークを扱ううえで、これこそがより優れたモデルであると言えるでしょう。
ネットワークというものは、中継デバイスのスケールアウト(増設による拡張)ができないため、本質的に問題を抱えていたと言えます。中継デバイスのスケールアップ(交換による拡張)は可能ですが、その際にはサービスの中断が発生します。結局のところ、中継デバイスによるネットワークのスケールアウトは不可能なのです。こういったことから、ネットワークの知的処理を円周部分に持たせ、物理ネットワークはIT機器の接続に必要な単なるパイプとして扱うのが適切だと考えているわけです。
中継デバイスを使用するという考え方自体がボトルネックを生み出すのです。つまり、ネットワーク自体がボトルネックだというわけです。
われわれのソリューションは、OpenStackとの緊密な統合により、設備投資コストの低減とともに、運用コストの低減も実現されるという利点を持っています。また、こういった統合はユーザーからみてシームレスなものとなっています。
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