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TCGのブシロードがスマホ特化のソーシャルゲーム参入で狙うこと

佐藤和也 (編集部)2012年12月05日 10時00分
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 トレーディングカードゲーム(TCG)事業で知られるブシロードが、スマートフォン向けゲームプラットフォーム「ブシモ」を立ち上げ、ソーシャルゲーム業界に本格参入する。

 ブシロードは2007年5月に設立。「ヴァイスシュヴァルツ」などといったTCG事業を中心にして規模を拡大し、近年では「カードファイト!! ヴァンガード」のヒットのほか、新日本プロレスリングの全株式を取得。さらには音楽事業の立ち上げも発表されている。

 そんなブシロードの新たな一手が、ブシモとなっている。「フルゲーム、フルネイティブ」を掲げ、ネイティブアプリによるスマートフォン向けゲームサービスと、コミュニティサービスを提供するプラットフォームとなっている。

「恋愛リプレイ」
「恋愛リプレイ」

 12月6日配信の恋愛シミュレーションゲーム「恋愛リプレイ」および、多方面に展開している「探偵オペラ ミルキィホームズ」のアクションゲーム「大疾走!ミルキィホームズ ターボ」を皮切りに、スロットRPG「神狩デモンズトリガー」、バウンド対戦RPG「バウンドモンスターズ」、カードアクションRPG「禁断召喚! サモンマスター」といったオリジナルタイトルのほか、TCGを再現した「ChaosTCG」、ネットワークRPGとなった「カードファイト!! ヴァンガード」といった自社の人気タイトル、さらに雑誌「電撃G‘s magazine」、音楽会社のランティス、アニメ制作会社のサンライズによるメディアミックスプロジェクトとして展開されている「ラブライブ! School idol project」の計8タイトルを、2013年2月までに順次配信予定。いずれもiPhone/Android向けアプリとして、基本無料のアプリ内課金方式で配信される。

 多くの競合がひしめき合うソーシャルゲーム市場。さらにスマートフォン向けコンテンツ市場も大手ゲームメーカーやソーシャルゲームのサービスメーカーも狙う次のステージとして年末から競争が激化することが予想されるが、なぜこの分野に参入しようとしたのか。

 ブシモの立ち上げから事業を統括する、取締役事業開発部長の広瀬和彦氏に聞いた。

――まずソーシャルゲームビジネスの参入、ブシモの立ち上げの経緯を教えてください。

広瀬和彦氏
広瀬和彦氏

 もともと木谷(代表取締役社長の木谷高明氏)がソーシャルゲームビジネスの構想を漠然と考えていたようなんですが、ちゃんと話として出てきたのが昨年(2011年)の初夏のあたりですね。

 ソーシャルゲームビジネスというのは、TCGに近いビジネススタイルであると考えています。昨今カードバトルものが隆盛を極めていますが、単にカードを扱っているからというよりもむしろ、ユーザーとの距離感や長期間サービス運営を行っていくところから見ても、ビジネス的に近しいところにあると考えています。

 ビジネス規模としてソーシャルゲーム市場が非常に大きく、そこで別業種だから知りませんと一蹴するのではなく、ソーシャルゲームの要素やノウハウを吸収することは重要であると考えています。ブシロードが培ったものを活かした次の展開としては、今後の成長性も含めてここに参入するのが一番いいであろうと判断し、体制面も含めて本腰を入れて取り組むと決めたのがこの時期でした。

 もうひとつ、アナログのTCGをメインにやってきた我々として、デジタルのカードゲームでも挑戦したいと思っていたのも理由になります。

――スマートフォン向け、そしてネイティブアプリに絞った理由を教えてください。

「大疾走!ミルキィホームズ ターボ」
「大疾走!ミルキィホームズ ターボ」

 話が出たタイミングでは、まだスマートフォン特化とは定めていませんでした。しかしながらフィーチャーフォンのソーシャルゲームは、すでに大手さんがガッチリと押さえていますし、市場の拡大や開拓が難しいであろうと。今後スマートフォンが普及していく流れが見えていましたので、こちらのほうが発展の余地があるという判断です。

 ユーザーにとっても、スマートフォンが仕事面でもライフスタイルでも重要なガジェットであることは間違いありません。どう利用するか、あるいは利用してもらうかというノウハウを得ることは、ゲームのみならずエンタメ分野、ひいては全ての企業において必須と言っていいと思います。

 ソーシャルゲームやモバイルのゲーム、そしてプラットフォームのサービスとして参入するのは最後発だと思っています。またこの市場もスピードが速いので、最低でも半歩先を考えて準備しないと陳腐化してしまいます。また、いくつかビックヒットとなっているタイトルも出てきていますが、スマートフォン向けソーシャルゲームのビジネスモデルとして、まだまだ確立されていない部分もあります。なのでチャレンジするべきはここであろうと。

 もちろんブラウザベースで制作するよりもコストがかかるのは当然のことですけど、ネイティブであることからリッチなゲームを提供できます。ユーザーの方がファンになってもらうには、何よりコンテンツ性を重視しなければいけませんし、多様な表現ができるネイティブのほうが、我々が目指すところのニーズにもあっています。

――開発体制面にあたって、2011年12月にビジネスアプリソフトやシステム開発を手がけるピー・アール・オーとの資本提携を締結しています。

 ブシモではゲームだけではなく、プラットフォーム化してゲームのSDKやコミュニティシステムの構築が必要となるのですが、当然ブシロードには開発のノウハウと部隊がありません。ですがプラットフォームとあれば、経験のある開発会社がより近い関係でないと動きづらいところがあり、単なる受託開発よりも資本関係まで踏み込んだ立ち位置のほうが望ましいと判断したからです。

 ピー・アール・オーは名前が強く出ている会社ではありませんが、モバイル向けのノウハウや大規模ユーザーに対してのシステム構築などの経験が豊富です。

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