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TCGのブシロードがスマホ特化のソーシャルゲーム参入で狙うこと - (page 2)

佐藤和也 (編集部)2012年12月05日 10時00分
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――ブシモはソーシャルゲームプラットフォームとうたわれていますが、発表会などではゲームを遊ぶための会員登録は不要ともうたっています。ゲームとプラットフォームの関係性を教えてください。

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ブシモのコミュニティ画面

 ブシモという名前はプラットフォームの名称でもありますが、ゲームのブランド名とも位置づけています。そもそも今あるSNSやソーシャルプラットフォームとは逆の設計をしていると思ってください。現在のソーシャルプラットフォームは、コミュニティサービスありきで、いかにそのユーザーをゲームへと誘導するかがポイントとなっています。

 一方でスマートフォン向け、特にアプリとなりますと、ユーザーに近い入り口は、基本的にApp StoreないしはGoogle Playになると思います。そうなるとまず最初にすることは、配信先に行ってゲームをダウンロードして遊ぶことになるわけです。いくらコミュニティを持っていてもユーザーにメリットがないですし、遊ぶより先に会員登録があると、一手間かけさせてしまい敷居が上がってしまいます。

 ゲームを遊んでもらって、その次の段階に来るものがコミュニティであると考えます。「ゲームについて語りたい」「コミュニケーションをとりたい」というユーザーの受け皿としてコミュニティサービスもあるという位置づけになっています。

――ブシモに登録することのメリットはどのようなものですか。

 統一したIDの紐付けにより、遊んでいるゲームの種類や、ゲームの達成度合いなどがわかるようになっています。リアルタイム性を強くしているので、今どんなゲームを遊んでいるかを伝えやすく、横のゲームユーザーの繋がりが出せると思います。細かいところでは、携帯電話の機種変更にもIDがあることで対応されます。

 ここにユーザーが集まってきたら、他のゲームへの誘導や広告などの2次的な展開にも価値が出てきます。いかにブシロードらしいコミュニティを確立することができるかがポイントですね。

――現段階では開発会社による制作でブシロードがプロデュースする形となっていますが、俗にオープン化といわれる、プラットフォームを提供してゲームメーカーなどからゲームタイトルを集めることは考えていますか。

「神狩デモンズトリガー」
「神狩デモンズトリガー」

 将来的に可能性が全く無いとは言い切れませんが、今の段階では考えていません。というのも、多種多様なラインナップでさまざまなユーザーを他社様よりも多く集めるという戦略では、真っ向勝負できる状態にないと思います。それよりも、ゲームが好きで熱意のあるユーザー、あるいはブシロードの作品だからというファンの方をいかに作って集めるかという、ロイヤリティの高いユーザーをターゲットとすることが重要ととらえています。

 またブシロードの事業として、版権をお借りして展開することが多いという事情もあります。版権を活用したタイトルで、すぐにサービスが終わってしまう、あるいはクオリティの低い作品が出ることは望ましくなく、足並みをそろえるにはオープン化が難しいと判断しています。なので、吟味して自社で責任を持ってリリースするスタンスにしています。

――昨今のソーシャルゲームでは、版権を活用してサービス提供を行う動きが目立ってますが、自社タイトル以外でオリジナルタイトルを多く揃えているのも同じ理由でしょうか。

 版権タイトルは、たしかに知名度を得ることにおいて力を発揮しますが、ユーザーの数が絞られすぎてしまう側面も持っています。そうなると広がりがなくなって難しい局面に陥ってしまうことも考えられるので、なるべく認知度が高いものと継続性を見ていきたいです。

 例えばアニメを例に挙げると、ほとんどの作品は1クール3カ月ぐらいで一区切りします。その反響を見て作り始めても遅いですし、先手を打ったとしても、盛り上がりが放映期間中だけで沈静化してしまうリスクも伴います。ソーシャルゲームのサービスが1年以下で終わってしまうのは良いことではないので、慎重に見極める必要があります。コンテンツの初期段階から関わって、先の展開が読める状態であれば踏み込んでいけるかと。例えば、「ラブライブ!」については比較的早い段階から製作委員会・プロジェクトに関わりを持ち進めています。

――「ラブライブ!」については、多様なソーシャルゲーム開発で知られるKLabが参加しています。

「ラブライブ! School idol project」
「ラブライブ! School idol project」

 開発会社については、それぞれのゲームタイプなどに長けている会社にお願いをしております。KLabさんというと鉄板なソーシャルゲームを提供するイメージがあるかもしれませんが、かなり先進的なゲームになっています。来年からテレビアニメが放送されますが、これまでに音楽CDのリリースやライブ活動も行っておりますので、ゲームにもリズムゲームの要素も盛り込み、コンテンツに根付いた内容になっています。熱心なファンの方がいらっしゃるタイトルではありますが、高い満足度を提供できるものでありますし、コンテンツを広く知ってもらうという意味でも期待をしているタイトルです。

――初期に配信されるタイトルのビジネスモデルは基本無料のアプリ内課金となっていますが、売り切り型などの異なるビジネスモデルの予定はありますか。

「ChaosTCG」
「ChaosTCG」

 タイトルやゲームジャンル、課金ロジックの適性を踏まえて検討しますが、現状では基本無料のアプリ内課金のビジネスモデルでやっていきます。立ち上げの段階では多くの方に遊んでいただくことが、ビジネスとしてもコンテンツの広がりを考えても成立しやすいと考えてます。

 課金方法についてはゲームによってまちまちです。ブラウザゲームで主流のガチャもありますが、例えばChaosTCGは従来のTCGにおけるカードパック販売に近い形になりますし、恋愛リプレイは携帯電話で出ているアドベンチャーゲームの課金方法に近い形になります。

――2012年では「コンプガチャ」をはじめとして、ガチャによる課金方法が大きな話題となっています。

 ゲーム性における満足度のバランスの問題と考えます。今主流のブラウザカードバトルでは、ゲーム性よりもいいカードを引けるかどうかという、ガチャ自体の比重が大きいがゆえ、課金要素とガチャに批判が集まっているんだと認識しています。ちゃんとゲーム性を持たせて、面白さの比重をゲーム側に寄せていれば、ユーザーの方も納得いただけますし、ビジネスとして正しいやり方だと思います。

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