ドコモがゲーム事業に参入する理由--グリー、DeNAは「競合ではない」 - (page 2)

 やはりソーシャルゲームですから、ユーザーは当然多い方がいい。なので、他キャリアのAndroidスマートフォンやiPhoneでも遊べるようにしています。dマーケット自体は直営でどんどん広げていくのですが、ドコモのユーザー向けのサービスだけではありません。顧客の視点に立って、幅広く受け入れるようにしたということです。

――なぜアプリではなくウェブブラウザで提供することにしたのでしょうか。

 もちろんアプリを否定しているわけではありませんが、我々の目的はあくまでもライトユーザーに遊んでもらうことです。やはりリッチなネイティブアプリを立ち上げるという行為は、コアなユーザーであれば問題なくできるのですが、ライトな方向けにはやはりブラウザですぐできた方がいいだろうと。

 我々もいろいろな調査をしているのですが、フィーチャーフォンからスマートフォンに変えてもアプリを使っていない人はまだまだ多いです。スマートフォンになっても使ってるのは電話とメールで、あとブラウザで好きなサイトに行く方が大半ですね。アプリかブラウザかというのことは顧客には関係なくて、その上で何が付加価値として提供できるかが重要だと思っています。

――他のドコモサービスとの連携なども考えているのでしょうか。

 ひとつはレコメンドサービスですね。dマーケットでの顧客の利用情報はストックしていますので、音楽や電子書籍、ゲームなど、それぞれのサービスからdマーケットに入ってきた人たちに、他のコンテンツをお勧めするイメージです。現在は試験的に提供しているのですが、まずはそれをしっかり磨き込んでいきます。もうひとつはdマーケット上で有料コンテンツを購入できる「dコイン」という仮想バリューです。たとえば、dコインをプレゼントするキャンペーンなど、さまざまな形でデジタルコンテンツを使ってもらえる施策を展開するつもりです。

――2012年は「コンプガチャ」問題なども大きな話題となりました。

 ゲームについては、やはり射幸心をあおりすぎてはいけないので、ゲームが充足できる最低ラインは設けなければいけないと考えています。今回は協業モデルなので、ゲーム会社と行き過ぎているものなどについてはチューンしていくことになると思います。おそらく他のプラットフォームですと、ある一定の基準をもうけてそれを徹底していく形になると思いますが、我々はそれを横に見ながらも、パートナー各社と共にゲームの内容や品質などを決めていく感じですね。

――そうするとdゲームでそこまで大きな収益は求めていないということでしょうか。

 基本的にはそうなります。とはいえ企業ですからある程度は利益をあげていかなければなりません。現在、ドコモでは開始から2年でユーザー数1000万人、売上高150億円を目標として掲げていまして、まずはそれを目指すということです。ただし、多くの顧客に遊んでもらうことを重視していますので、売上高よりもユーザー数を拡大していきたいですね。

――海外展開についても教えて下さい。

 詳しくはあまり言えないのですが、まずは国内でのポジションをしっかりと確立した上で海外に展開していきたいと思います。海外にはBuongiorno(イタリアの子会社)やnet mobile AG(ドイツの子会社)などの企業がありますので、そこをハブにしながら今後について考えていくということになると思います。まだ時期は決まっていませんが、2013~2014年くらいには試験的に展開できればと思っています。

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