グリーは11月14日、2013年6月期第1四半期(2012年7~9月)決算を発表した。売上高は379億3500万円(前年同期比24.7%増)、営業利益は157億5000万円(同5.4%減)、経常利益は152億5000万円(同7.7%減)、四半期純利益は90億6900万円(同4%減)となった。前年同期比では増収減益となっているが、前四半期と比較すると売上高は約5%、営業利益と経常利益は約17%、四半期純利益では26%とそれぞれ減少しており、減収減益となっている。
その一方で、月次売上高では「底を打ち回復基調に転じている」とグリー代表取締役社長の田中良和氏は説明。詳細なデータは明かされなかったが「6月まではさまざまな改修や対策をしてきた。6月までの落ち込みはあるかと予想していたし、改善のための開発リソースが取られていた。7月以降はサービス面にも手を入れ始めて、回復傾向に転じている」(田中氏)。
この四半期はIPゲームやバトルゲームの拡充、新たなゲームデザインの開拓のほか、有力IPの獲得や開発運営体制の強化として、韓国NCsoftとの業務提携や、カナダにスタジオを設立するなどした。また、自社IPを活用したキャラクターの商品化をするマーチャンダイジング事業の開始したことや、フランスの広告会社であるMobPartnerとの提携により広告事業を強化したことを語った。
今後の戦略として、国内に向けては有力IPの活用として、コナミデジタルエンタテインメントの「METAL GEAR SOLID SOCIAL OPS」や、スクウェア・エニックスの「すばらしきこのせかい LIVE Remix」、「ファイナルファンタジー」のソーシャルゲームを年内に投入する予定であるほか、有力IPを活用したゲームを順次展開。また10月に買収したポケラボとともにラインナップの拡充に努めるほか、先日提携を発表したヤフーの「Yahoo! JAPAN」を通じてユーザーリーチの拡大を図っていく。
また海外に向けては、北米や欧米市場のホリデーシーズンに向けてゲームをリリースしていくほか、韓国市場に向けても本格参入を開始。日本でのヒットタイトルである「運命のグランバトル」をリリースするほか、米国の人気シミュレーションゲームを投入する。またアジア太平洋地域の通信キャリアSingTelと包括的業務提携契約を締結し、シンガポールや東南アジア地域のユーザーに向けてリーチしていくとした。
質疑応答で田中氏は「年内に向けて有力IPのゲームリリースが加速する。またポケラボとの提携もヤフーとの取り組みも始まったばかり。このあたりが今後の業績にプラスとなって反映されると思う」と、今後の巻き返しに自信を見せていた。なお、グリーがヤフーとの提携を発表した翌日の11月9日に、「Mobage」を運営するディー・エヌ・エーがヤフーとの提携強化を発表している。これにより今後の計画や戦略に変更があるのかを問われると「他社の戦略ついてはわからないのでコメントできないが、われわれとしては包括的提携に影響を及ぼすものではない」と語った。
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