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ドコモがゲーム事業に参入する理由--グリー、DeNAは「競合ではない」

藤井涼 (編集部)2012年11月26日 10時40分
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 NTTドコモは、同社直営のコンテンツストア「dマーケット」で、スマートフォンゲームを提供する「dゲーム」を12月に開始する。大手ゲーム会社と協業し、ソーシャルゲームを中心とした15タイトルを用意する。すべてのゲームをアプリではなくウェブブラウザで提供し、他キャリアのAndroidスマートフォンやiPhoneでも遊べるようにするという。

 スマートフォンゲーム市場には、すでにグリーやディー・エヌ・エー(DeNA)といった、強力なプレーヤーが多数存在するが、このタイミングでドコモがゲーム事業に参入する狙いは何だろうか。NTTドコモ スマートコミュニケーションサービス部 ネットサービス企画 コマース推進担当課長の渡辺英樹氏に聞いた。

――まず、ドコモがゲームを提供するにいたった経緯を教えてください。

 我々がdゲームを提供する狙いは非常にシンプルです。ドコモではdマーケットという直営ストアを運営しているのですが、その中のサービスを拡充したいと思っています。現在は音楽、動画、アニメ、電子書籍などを提供していますが、そこにゲームがないのは不自然ですよね。ゲームも当然あるべきものなので、新たに提供することにしたのです。

 dマーケットの基本構想として、これまでiモードで進めてきたようなプラットフォームビジネスモデルの上で、新たな市場を作っていきたいという思いがありました。ですので、他社がすでに提供されている領域にドコモが入っていくというよりは、まだスマートフォンゲームをやったことのないような、ライトユーザー向けにサービスを提供していきたいと考えています。

 また提供するゲームですが、ライトユーザーにはいわゆるネイティブゲームのようなリッチなゲームを提供してもなかなか刺さりません。ですので、ゲーム自体はシンプルで簡単に遊ぶことができ、かつ時代のトレンドにも合った内容となると、やはりソーシャルゲームは外せないだろうと考えました。


NTTドコモ スマートコミュニケーションサービス部 ネットサービス企画 コマース推進担当課長の渡辺英樹氏

――サービス開始時の提供タイトルについて教えて下さい。

 開始当初は9社の15タイトルから始めさせていただきます。dマーケットのビジネスモデルは協業スタイルを取っていまして、まずはこの9社(バンダイナムコゲームス、KONAMI、セガ、スクウェア・エニックス、タイトー、KLab、ボルテージ、ケイブ、D2C)としっかりやっていくということです。ただし、やみくもにタイトル数を増やすのではなく、顧客のニーズに合わせて、徐々に広げていくことになると思います。

――ゲームの“量”よりも“質”を重視するということでしょうか。

 そうですね。グリーやDeNAはソーシャルゲームプラットフォーマーなので、ゲーム数は多ければ多いほどいいと思うのですが、我々はどちらかというとdマーケットを盛り上げていく手段の1つとしてゲームを提供しますので、とにかくタイトル数を増やすというよりは、dマーケットのユーザーが臨むゲームを揃えていくということですね。そうなると、やはりスピードは若干遅くなる、慎重に進めていくスタイルになるかと思います。

 よく、GREEやMobageと比較してどうですかと聞かれるのですが、そもそも目指すところが違いますので、比較対象ではありません。ただし、やはりおもしろいタイトルは揃えていきたいので、両社が提供するハイクオリティなゲームやUIなどはベンチマークにしたいと思っています。ですので、競合というよりは目標という視点ですね。

――ライトユーザー向けのゲームとは具体的にどのような内容になるのでしょうか。

 ライトユーザー向けには、KONAMIと提供する「大富豪モンスターズ」や、バンダイナムコゲームズと提供する「英雄スピリッツ」などを用意しています。まず大富豪モンスターズは、ソーシャルゲームでは圧倒的に少なかったトランプのゲームです。KONAMIとお話していく中で、ライトユーザーでもなじみやすいトランプ、そして日本人に人気の高い大富豪をテーマにしようと決めました。大富豪をベースにどのようにしてソーシャル要素を絡めたり、おもしろくするかということをお互いで練りながら、最終的に大富豪とモンスターを掛け合わせた作品になります。

  • 大富豪のルールをもとにしたカード対戦が楽しめる「大富豪モンスターズ」

  • 英雄武将たちが異世界で戦うカードゲーム「英雄スピリッツ」

 英雄スピリッツについては、好き嫌いが起こりにくい、どんな人にでも刺さるようなキャラクターを用意したいという思いがありました。たとえば、特定の漫画やキャラクターだとその世界になってしまう、では歴史はどうかというと歴史自体の好き嫌いがあるので、思いきって“英雄”という大きな括りにしました。西洋の英雄が好きな人がいれば、中国の三国志が好きな人もいて、日本の武将が好きな人もいる。英雄という括りであれば必ず好きな人がいますよね。その中でどのようにゲームをチューンしていくのかをバンダイナムコゲームズと進めてきました。

――dゲームで提供するゲームはauやソフトバンクのスマートフォンでも遊べるそうですね。

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