楽天の子会社であるカナダKoboは11月1日、電子書籍リーダーの最新版となる「kobo glo」および「kobo mini」を発表した。kobo gloについては同日より予約を開始し、11月15日より出荷する。kobo miniに関しては12月中旬にも発売する予定だ。価格はkobo gloが7980円、kobo miniが6980円となる(端末の詳細はこちら)。現行モデルであるkobo Touchは、新端末と併売する。
同日都内で開催された発表会で、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、koboが、これまで発表されていた日本やカナダ、米国など世界9カ国に加えて、イタリア、ポルトガル、スイス、南アフリカ共和国でサービスを展開していると説明した。特に日本は、電子書籍の購入冊数が世界の他の国に比べて2倍になっており、「koboが日本の電子書籍の扉を開いた」(三木谷氏)と語った。
そして三木谷氏は、koboについて、3つの方向性での進化を目指すと説明する。まずは「ユーザービリティの向上」だ。Wi-Fi経由でのセットアップやmicroSDカードによるメモリ拡張など実現しているとした。次に挙げたのは「コンテンツの拡充」だ。現在世界のコンテンツは275万冊。日本のコンテンツは6万5000冊となっているという。3つめは「デバイスラインアップの充実」だ。今回発表されたkobo glo、kobo miniに加えて、Android端末の「kobo arc」も近日発売すると説明。さらにAndroidアプリを年内に、iOSアプリも近日中に発売するとした。
発表会の後半には質疑応答の時間が設けられた。質問と三木谷氏の回答は以下の通り。
デバイスについては、日本で(今回発表された端末を含めて)3機種の白黒端末に加えてAndroid端末を出している。
koboの特徴はとにかくオープンプラットフォームであるということ。フォーマットにEPUB3を採用しており、トランジションには時間がかかったが、将来的にはデファクトスタンダードになると出版社からの支持も頂いている。
また楽天市場との連携、ポイントなどを使ってより幅広い層にアピールできる。
そして最大の違いはmicroSDで大量にコンテンツを入れられること。32Gバイトで約1500冊のマンガが端末に入る。デザインやカラーバリエーションも多く、フォントもモリサワフォントを使用して、より日本にローカライズされたものだ。言い方が悪いが、日本が本社であるがゆえにできると思っている。
EPUB3については正直言って当初手間取った。現時点では出版社のコンセンサスもできており、出版社の社内体制も整ってきている。
あと2カ月で13万5000冊だが、1万冊、2万冊という大きな固まりでコンテンツが入る予定がある。それが入れば達成するし、ずれれば1月になるかも知れない。
正式な目標として公表した数字ではなく、内部の大きな夢。そこまでいっていないのが現状。ただ、他国に比べて(日本)は順調だ。
当初3万冊とうたったが、実際には2万数千冊でスタートした。実際にはオペレーションの手間がかかってしまった。そこはお詫びしないといけない。現在のラインアップの500冊ほどは、作家が「どういう本を書いているか」といったWikipediaの内容になっている。それ以外は純粋な書籍、コミックとなっている。
(kobo Touchについて)最初の段階ではPCに接続しないとセットアップできなかったが、その後Wi-Fi接続で1分以内にセットが終わるようファームウェアをバージョンアップした。前回の反省も踏まえて、今後は最善を尽くしていく。
3Gモデルについては正直お答えできない。だが、「電子書籍端末」と「タブレット」には差がある。またkobo arcは(Kindle)Fireとまったく違うオープンなAndroid端末。スペック的にも同程度、もしくは勝っている。
販売促進についてはお答えできない。
タブレットはこれまでもあったが、電子書籍というものは日本でも新しい概念。日本にはマンガというすばらしいコンテンツがある。今までの端末は、世界的にあまりマンガを意識する必要がなかった。
(kobo Touchを)出して分かったのは、マンガの売り上げは非常に大きいことだった。マンガを読むにはそのためのいろいろな機能が必要になる。1つはデータファイルが大きいこと。欧米の端末をそのまま持ってくるのではなくカスタマイズしたり、日本の仕様を世界仕様にしないといけない。マンガにkobo gloは最適化している。
私も飛行機で寝転びながらマンガを読んだが、軽くていい。PCとタブレットが違う以上に、タブレットと電子端末は違う。電子書籍の中核になるのは白黒の電子書籍端末だと思う。タブレットは映画や音楽、ゲームなどが中心になる。
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