タブレットと電子書籍端末は別物--kobo新端末発表で三木谷氏

岩本有平 (編集部)2012年11月01日 18時07分

 楽天の子会社であるカナダKoboは11月1日、電子書籍リーダーの最新版となる「kobo glo」および「kobo mini」を発表した。kobo gloについては同日より予約を開始し、11月15日より出荷する。kobo miniに関しては12月中旬にも発売する予定だ。価格はkobo gloが7980円、kobo miniが6980円となる(端末の詳細はこちら)。現行モデルであるkobo Touchは、新端末と併売する。

 同日都内で開催された発表会で、楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、koboが、これまで発表されていた日本やカナダ、米国など世界9カ国に加えて、イタリア、ポルトガル、スイス、南アフリカ共和国でサービスを展開していると説明した。特に日本は、電子書籍の購入冊数が世界の他の国に比べて2倍になっており、「koboが日本の電子書籍の扉を開いた」(三木谷氏)と語った。


「kobo glo」を持つ楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 そして三木谷氏は、koboについて、3つの方向性での進化を目指すと説明する。まずは「ユーザービリティの向上」だ。Wi-Fi経由でのセットアップやmicroSDカードによるメモリ拡張など実現しているとした。次に挙げたのは「コンテンツの拡充」だ。現在世界のコンテンツは275万冊。日本のコンテンツは6万5000冊となっているという。3つめは「デバイスラインアップの充実」だ。今回発表されたkobo glo、kobo miniに加えて、Android端末の「kobo arc」も近日発売すると説明。さらにAndroidアプリを年内に、iOSアプリも近日中に発売するとした。

 発表会の後半には質疑応答の時間が設けられた。質問と三木谷氏の回答は以下の通り。

--AmazonがKidleを日本でも展開する。競合と比較したkoboの強みは。

 デバイスについては、日本で(今回発表された端末を含めて)3機種の白黒端末に加えてAndroid端末を出している。

 koboの特徴はとにかくオープンプラットフォームであるということ。フォーマットにEPUB3を採用しており、トランジションには時間がかかったが、将来的にはデファクトスタンダードになると出版社からの支持も頂いている。

 また楽天市場との連携、ポイントなどを使ってより幅広い層にアピールできる。

 そして最大の違いはmicroSDで大量にコンテンツを入れられること。32Gバイトで約1500冊のマンガが端末に入る。デザインやカラーバリエーションも多く、フォントもモリサワフォントを使用して、より日本にローカライズされたものだ。言い方が悪いが、日本が本社であるがゆえにできると思っている。

--コンテンツの調達については、EPUB3だけを採用したために苦戦しているようにも見える。年末に向けてのコンテンツ調達の確度を教えて欲しい。

 EPUB3については正直言って当初手間取った。現時点では出版社のコンセンサスもできており、出版社の社内体制も整ってきている。

--2012年中に20万冊を目指すとしていたが、達成できるのか。

 あと2カ月で13万5000冊だが、1万冊、2万冊という大きな固まりでコンテンツが入る予定がある。それが入れば達成するし、ずれれば1月になるかも知れない。

--端末100万台という目標の達成状況はどうなっているのか。

 正式な目標として公表した数字ではなく、内部の大きな夢。そこまでいっていないのが現状。ただ、他国に比べて(日本)は順調だ。

--コンテンツの数について行政指導があったが、どのように意識しているか。また一部の電子書籍は書籍と呼べない内容が含まれるように見える。これついてどのように考えているか。

 当初3万冊とうたったが、実際には2万数千冊でスタートした。実際にはオペレーションの手間がかかってしまった。そこはお詫びしないといけない。現在のラインアップの500冊ほどは、作家が「どういう本を書いているか」といったWikipediaの内容になっている。それ以外は純粋な書籍、コミックとなっている。

--kobo Touchについては当初PC経由でのアクティベーションに戸惑うユーザーがいた。また一部報道では(それらのユーザーに対して)「騒いでいるのは一部」という発言をしていた。現在も考えは変わらないのか。

 (kobo Touchについて)最初の段階ではPCに接続しないとセットアップできなかったが、その後Wi-Fi接続で1分以内にセットが終わるようファームウェアをバージョンアップした。前回の反省も踏まえて、今後は最善を尽くしていく。

--kindleは3G通信費無料のモデルもある。御社は通信回線に関する戦略をどのように考えているか。

 3Gモデルについては正直お答えできない。だが、「電子書籍端末」と「タブレット」には差がある。またkobo arcは(Kindle)Fireとまったく違うオープンなAndroid端末。スペック的にも同程度、もしくは勝っている。

--kobo Touchを楽天カードユーザーに送付していたが、その狙いや台数を教えて欲しい。

 販売促進についてはお答えできない。

--競合も多い「激戦」をどう戦っていくのか。

 タブレットはこれまでもあったが、電子書籍というものは日本でも新しい概念。日本にはマンガというすばらしいコンテンツがある。今までの端末は、世界的にあまりマンガを意識する必要がなかった。

 (kobo Touchを)出して分かったのは、マンガの売り上げは非常に大きいことだった。マンガを読むにはそのためのいろいろな機能が必要になる。1つはデータファイルが大きいこと。欧米の端末をそのまま持ってくるのではなくカスタマイズしたり、日本の仕様を世界仕様にしないといけない。マンガにkobo gloは最適化している。

 私も飛行機で寝転びながらマンガを読んだが、軽くていい。PCとタブレットが違う以上に、タブレットと電子端末は違う。電子書籍の中核になるのは白黒の電子書籍端末だと思う。タブレットは映画や音楽、ゲームなどが中心になる。

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