電子書籍端末「kobo Touch」の発売に際した宣伝について、消費者庁から口頭での行政指導を受けた楽天だが、10月26日に声明を発表した。
発表によると、楽天グループのカナダKoboがkobo Touch向けの電子書籍ストアである「koboイーブックストア」を開設した際、パンフレットなどに、日本語のコンテンツが「約3万冊」と表記していたが、実際のところはサービス開始当初1万9164冊しかなかったという。これについて、景品表示法上不適切な部分があったとして、消費者庁から指導を受けたという。
これについて楽天では、「今回の指導を真摯に受け止めるとともに、ご迷惑をお掛けしましたお客様、関係者の皆様に対しまして、お詫び申し上げます」としている。
10月26日朝のCNET Japanの取材に対し、楽天は「当初予測では3万冊という数字になる予定だったが達成できなかった。koboイーブックストアについては、トップページで3万冊という文言を外したが、一部のページや印刷済みのパンフレット等に数字が残ってしまった。間もなく3万冊を達成すると見込んでいたが、実際に達成したのは8月24日だった」(楽天)と説明した。
楽天の発表によると、現在の日本語コンテンツ数は約6万5000冊。ただしこの中にはWikipediaの項目を1つずつ電子書籍化したもの約500冊や、ギター譜を1曲ずつ電子書籍化したもの約1万4000冊も含まれる。これらのコンテンツについては、一部では「数字の水増しではないか」という声が上がっている。またWikipediaに関しては、当初DRMをかけた上で提供しており、これがクリエイティブ・コモンズのライセンスに違反する状態であった(現在はDRMはかけられていない)。こうした一連の動きについては、10月26日13時50分時点で楽天から正式なコメントを得られていない。
また、行政指導とは直接関係ないが、ソーシャルメディア上では一部の楽天カード会員のもとにkobo Touchが送付されたとして話題になっている。
これについて楽天は、事実を認めた上で「楽天カードのプレミアム会員に対して日頃のご愛顧ということで送付している。いくつかの基準をつけており、無作為に配った訳ではない」としている。送付数については公開していない。
今週は、Appleが最新版のiPadを発表したほか、Amazonが国内でKindleを 展開、さらにはMicrosoftのWindows 8が発売されるなど、タブレット関連のニュースが絶えないが、「タイミングを狙ってやったわけではない」(楽天)という。
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