場合によっては、違いがはっきり分かることもある。第3世代iPadは、電源オフの状態からの起動に27秒かかる。第4世代iPadでは16秒だ。筆者はアプリをダウンロードして、さまざまなアプリの起動を試してみた。また、前面カメラと背面カメラで撮影した動画をエンコードしてみた。その場合、違いはほとんどがわずか数秒だった。このiPadは非常に高速で、「iOS 6」でも問題なく動くが、第3世代iPadでもその感じは変わらない。RAMの容量が以前と同じ(1Gバイト)であれば、iOSのマルチタスク機能を使って素早く切り替え続けられるアプリの数は、ほとんど同じだ。
ほかのタブレットは、多くがクアッドコアを採用しつつあるかもしれないが、A6Xは、処理スピードが非常に速いという感覚と、iOSでしたいと思ってきたことすべてを可能にするだけのパワーをもたらしてくれる。
前面にある新しいHDビデオ対応のFaceTimeカメラからは、iPhone 5や第5世代「iPod touch」のカメラを使った時ほどは、ドラマチックな印象を受けなかった。理由の1つは、iPadのスクリーンがはるかに大きく、また高解像度のRetina Displayはより多くのピクセルを表示できるので、平均的な画像だとざらついた感じがしてしまうためだ。このカメラは以前より改善されているし、FaceTimeでの通話では効果がある。しかし、背面カメラは以前と同じ5メガピクセルで、変更はない。iPadのカメラはいざという時に使うには良いが、全体としてはiPhone 5のカメラの非常に素晴らしい品質には及ばない。こうしたことを考えれば、人前でiPadを使って写真を撮るようなことはしたくないと思うはずだ。
Appleは第4世代iPadのバッテリ持続時間を、第3世代と同じく、ビデオ再生時で10時間だとしている。しかし、第3世代iPadは、iPad 2とバッテリ持続時間が同じだとされていたが、実際には平均的な1日を通して見れば、持続時間はやや短かった。
米CNETは正式なバッテリ持続時間のテストを行う予定だが、第4世代iPadは、第3世代iPadとほぼ同じだと思われる。動画の再生やゲーム、ウェブの閲覧などを連続的に行っても、丸1日ともう少しは十分にもつと思われる。
新しい第4世代iPadは、最も優れたiPadであり、最速だ。しかし、それはもはや最小のiPadでもなければ、最も手ごろな価格のiPadでもない。それはAppleの大型タブレットに対する認識を、一夜のうちに変えてしまったようだ。このiPadはいまや、プロレベルの性能を持ったデバイスであり、ノートブックの代替となるものだ。
いや、これは言い過ぎかもしれない。第4世代iPadはまだかなりポータブルであるし、499ドルというのは、それなりに手ごろな価格だ。最高のディスプレイを備え、最先端のアプリとの互換性に最も優れたタブレットにこだわる人であれば、ほかのものを探す必要はない。コンパクトなものがよければiPad miniを選ぶことができる。長期的にはiPad miniが最も成功したiPadになるのかもしれない。現時点ではその称号はまだ、従来型の大きなサイズのiPadのものだと筆者は考えているが、その差はわずかだ。そしてそれは主に、Retina Displayのおかげである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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