新しい第4世代iPadをどこかのテーブルに置いたときに、目印となる小さなLightningコネクタが偶然目に入るのでない限り、それが最新で最高のiPadだとは誰にも分からないだろう。これは自慢するのが簡単ではない製品だ。「iPhone 4S」の場合と同じで、その重さやサイズ、全体的なデザインは前の世代と同じである。背面パネルを見ても、これが前よりも新しいiPadだというヒントは何も見当たらない。このiPadがどのような感じかより詳しく知るには、Donald Bell記者による第3世代iPadのレビューを読み返すといい。
筆者のレビュー用のWi-Fiモデルは、64Gバイトでカラーはブラックだが、第4世代iPadにはホワイトもある。いつもの通り、フロントパネルの色は違っているが、アルミニウム製の背面パネルは同じである。
このiPadのデザインはまだ持ちこたえられるだろうか。それは大丈夫だ。なぜなら金属とガラスだけの構成は、タブレットではまだ珍しいからだ。1.4ポンド(約652g)の本体は軽くはないものの、両手で持つにはちょうど良い感じだ。片手で持つデバイスとしては、厄介で扱いにくい。そのつるりとした手触りのせいで、壊れやすい印象がある。実際、固い床には落とさないほうが良いだろう。
Retina Displayにも変更はなく、以前と同じく素晴らしい。2048×1536ピクセル、9.7インチのIPSディスプレイは、タブレットではほかに並ぶものがない。色の正確さは最高で、映画はとてもきれいに見えるし、写真も非常に美しく表示される。テキストは「iPhone」と同様に、極めてくっきりと表示される。ウェブページを見れば、その違いははっきりと分かる。しかしこうした点は、第3世代iPadと全く同じだ。
iPadの幅の広いベゼルは、このサイズと重さには必要なものだ。さもなくば非常にすべりやすくなってしまう本体を、しっかりとつかむのに役立つ。1個あるホームボタンは、やや時代遅れな感じがするが、すぐになくなってしまうことはないだろう。側面には、音量調節ボタンや消音/画面の向きをロックするボタンが残っている。スピーカーや、ヘッドホンジャックなどはすべて同じだ。
iPadが前の世代から全く外観を変えないのは、今回のモデルが初めてだ。第3世代iPadはiPad 2にかなり近いが、厚さが増している。今回で、3モデル連続で見た目がよく似たものになっている。iPhoneと同じように、大きな9.7インチモデルのiPadは、今では1つの型に落ち着いている。AppleのiOSデバイスの進化の歴史から考えれば、2013年は再デザインが行われる時期であるように思われる。しかしそれは必要不可欠ではない。
では、新しいA6Xプロセッサの話に移ろう。第3世代iPadのA5Xと同じように、A6XはARMベースのデュアルコアプロセッサで、クアッドコアグラフィックスを搭載している。このようなグラフィックスが追加されている点が、「iPhone 5」の「A6」プロセッサとは違うところだ。同じことは、2012年前半に登場したiPadのA5Xと、iPhone 4Sとの違いにも当てはまる。
実際にA6Xの恩恵を受けているアプリをテストするのは難しい。このレビューの時点では、第4世代iPadに対応済みだとするアプリケーションはなかったからだ。理論的には、Retina Display上でゲームはより高速かつ滑らかに動作するはずだ。実際に筆者が試したゲームではそうだった。Gameloftの一人称シューティングゲーム「N.O.V.A. 3」は、重いアクションでは途切れがちになることが多いのだが、非常に滑らかだった。ほかのゲームも同じくらい、データの読み込みが速く、動きが素早いように思えた。
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