ここまで電子書籍を読むのに適したデバイスをざっと紹介したが、どの電子書籍ストアが使えるかは、それぞれのデバイスに依存する。専用端末は原則として、それぞれの事業者が運営しているストアしか利用できない。
スマホやタブレットなどの汎用デバイスは、複数のストアが利用できるが、それはストア側がiOS/Androidなど各プラットフォーム向けのアプリを用意していることが前提になる。また、アプリは用意されているのだが「ある出版社から提供されているコンテンツは特定のプラットフォームでだけ読めない」といったケースも存在するのでややこしい。
もし、すでにスマホやタブレットを所持しているなら、まずはその中で利用できるストアをいくつかピックアップし、何冊か買ってみて自分に合っているかをチェックするのがよいと思う。そのうえで電子書籍を読む習慣が定着し、スマホだと画面が小さい、タブレットだと持ち運びに重すぎるといった不満が出てくれば、専用端末の導入も視野に入れればよい。
スマホやタブレットがなければPCで始めてみる手もなくはないのだが、手に持った機器を用いてタッチ操作で読むという体験にはならない。なるべく今後主流になっていくと思われるスマホかタブレットで試したいところだ。
スマホやタブレットを所持しておらず、読書中心に端末を探すのであれば、最初から専用端末を選ぶのも視野に入ってくるが、これら専用端末は利用できるストアが決まっているので、期待外れだったからといって別のストアを使うことができない。そのため導入前に電子書籍のラインアップをしっかり確認しておきたいところだ。また専用端末は当たり外れが大きいのが現状なので、第三者のレビューないしは口コミで事前に情報収集することをおすすめする。
最後に、上記とはまったく別の視点で、見落とされがちなポイントをいくつかまとめておきたい。レアケースではあるかもしれないが、選び方の参考になることもあるだろう。
・電子ペーパー端末の「駆動時間の長さ」「軽さ」はメリット大電子ペーパーを採用した専用端末はバッテリが数週間と長寿命であることが多いので、持ち歩くスマホやタブレットの電池をなるべく消耗したくない場合にもぴったりだ。無線LANがオフの状態であれば、バッグの中に1カ月程度放り込んでおいても大丈夫だ。重量も200gを切っており、単行本に比べても軽い。
・寝転がって読む場合はページめくりボタンがあったほうが便利最近の機器はタッチパネルによる操作が一般的だが、たとえばベッドに寝転がってページをめくるなど、通常と異なる姿勢で操作する場合、タッチパネルでは操作しにくいと感じることがある。
その点、ページめくりの専用キーがあれば、姿勢が不安定でも操作しやすい。スマホやタブレットでも、一部の読書アプリでは音量調節キーを使ってページをめくれる機種があり、意外に便利なことがある。物理的なボタンを搭載した製品は徐々に減りつつあるが、こうしたメリットは見逃せない。
・「PCで買って転送できる」タイプは2種類あることに注意「PCで購入して端末に転送する」方法には、大きく分けて2種類ある。ひとつは一度PCにダウンロードしたのち、USBケーブルやメモリカードで端末に移動させる方法だ。かつて通信機能のなかった端末ではこの方法を採用していた。
もうひとつは、PCではダウンロードせず決済したのち端末側でダウンロードする方法で、KindleやソニーReaderなどが採用している。理想なのは後者で、なおかつ端末側でも購入できることが望ましいことになる。どちらも表現としては「PCで買って転送できる」になるが、手間は雲泥の差なので注意したい。
次回はこれら電子書籍の購入先となる、ストアの選び方についてお届けしたい。
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