さて、こうした汎用デバイスとは別に注目を集めているのが、一般に電子書籍端末と呼ばれる専用デバイスだ。電子書籍を読むことを主眼において設計されているので、汎用デバイスにはないページめくりボタンの搭載など、使いやすさという点ではタブレットの一歩先を行く製品も多い。
電子書籍端末は大きく2つに分かれる。ひとつはタブレットタイプの読書端末で、Androidのタブレットをベースにしているが、Google Playは利用できず、あらかじめインストールされている読書や動画再生といったアプリを利用する。製品によっては、その事業者が運営する独自のストアからゲームなどのアプリを追加できる場合もある。
このタイプの代表的な製品にはAmazonのKindle Fireがあり、読書のほか音楽/動画の再生を主眼に置いている。要するにコンテンツをじゃんじゃん買ってもらうためのプラットフォームであり、そのぶん本体の価格が抑えられていることが多い。ハードウェアとストアが密接に結びついていることもあり、買いやすいのも特徴といえる。
画面サイズは7インチが多く、さきほどの7~8インチの汎用タブレットと比較した場合、汎用性を取るか、それとも価格を取るかがポイントになる。
もうひとつは電子ペーパーを用いた読書端末だ。代表的な製品としては、Kindle Paperwhite、ソニーReaderなどが挙げられる。これらの機種ではE Ink社のモノクロ電子ペーパーが採用されており、紙に似た表示品質で目にやさしい。カラー表示には対応しないので雑誌などを読むには向かないが、文字主体の電子書籍にはぴったりといえる。
また電子ペーパーの特性上、画面を書き換えるときにだけ電力を消費するため、バッテリが数週間単位で持つのが大きな特徴だ(実際には無線LANのオンオフといった条件にも左右される)。6インチサイズでありながら、7~8インチの液晶タブレットの約半分となる100~200gという軽さもメリットだ。
多くの端末では電子書籍コンテンツは端末から直接購入できるが、画面の書き換えに時間がかかる電子ペーパーの特性上、あまりスムーズではないことも多い。そのため、電子書籍はPCで購入し、これら端末ではダウンロードのみするという人も多い。
以上2種類の専用端末は、基本的に読書専用ということで、スマホやタブレットのようにさまざまなアプリをインストールして読書以外にも幅広く使える汎用性はない。ネットを閲覧する機能だけは搭載されている製品が多いが、タブレットタイプはともかく、電子ペーパー端末では白黒で表示されるので、あくまでもおまけ機能といった感が強い。
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