マイクロソフトの最新クライアントOS「Windows 8」の一般販売が10月26日に開始される。パッケージ製品の概要や、ハードウェアベンダー各社が発売するWindows 8プレインストール機の情報もひととおり出そろったこのタイミングで、改めてWindows 8について知っておきたい3つの基本的なポイントについて、まとめておこう。
Windows 8には「Windows 8」と「Windows 8 Pro」の2つのエディションが提供される。前者がコンシューマー向け、後者がビジネス向けであり、Windows 7における「Professional」以上のエディションに相当するのが「Pro」という位置づけになる。主にビジネス向けの機能である、ドメインへの参加、ドライブ暗号化の「BitLocker」、そして仮想化が行えるクライアントHyper-Vなどは「Pro」でしか利用できない。(なお、単品では購入できないボリュームライセンス版の「Windows 8 Enterprise」というエディションもあるが、この記事では販売店で入手できるものについてのみ取り上げている)
そして、Windows 8シリーズとしてはもうひとつ「Windows RT」と呼ばれるエディションが存在する。Windows RTはかつて「Windows on ARM(WoA)」と呼ばれていたもので、その旧称のとおりARMプロセッサ向けのエディションとなっている。主にタブレットなど、ARMプロセッサを搭載する端末向けのエディションであり、提供形態はプレインストールのみで、単体のパッケージとしては販売されない。
注意しなければならないのは、この「Windows RT」では、Windows 7までで使っていた、いわゆる従来のWindowsアプリケーション(x86/x64向けのWindowsアプリケーション)を、ユーザーがインストールして使うことはできないという点だ。Windows RTでは、Microsoft Office 2013(Word、Excel、PowerPoint、OneNote)のRT版が標準搭載されており、そのほかにも各ベンダーがプレインストールしたアプリケーションが利用できるが、これら以外にユーザーがインストールして利用できるのは、Windows Storeからダウンロードできる「Windows 8ストアアプリ」のみとなる。
マイクロソフトが発表したタブレット端末「Surface」(現時点で日本での発売は未定)をはじめ、各ハードウェアベンダーが発売するタブレット機にはWindows RT搭載のモデルが用意されている。これらのモデルでは、ARMプロセッサの特徴を生かした長時間駆動や、ハードウェア自体の小型化が可能といったメリットがあるが、一方で、これまでのWindowsで利用してきたアプリケーションを引き継いで使うことはできない。
Windows 7以前からのバージョンアップ、もしくは乗り換えが必須であれば「Windows 8」もしくは「Windows 8 Pro」。7以前のアプリを引き継ぐ必要がなく、新規もしくはサブ機としての買い増し等を検討しているのであれば「Windows RT搭載ハード」も選択肢に入れることが可能だという点を覚えておこう。
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