スクエニとグリー、ソーシャル版「ファイナルファンタジー」を共同制作へ

 スクウェア・エニックスとグリーは10月23日、共同記者発表会を開き、「ファイナルファンタジー」と「すばらしきこのせかい」など4タイトルの新作ソーシャルゲームを共同制作し、GREE向けに配信することを発表した。

田中良和氏(左)と、和田洋一氏
田中良和氏(左)と、和田洋一氏

 グリー代表取締役社長の田中良和氏は「子供のころからさまざまなゲームを遊んできて、スクウェア・エニックスのタイトルで育ってきた世代でもあるので、今回の発表は個人的にもすごく嬉しい」と率直な感想を述べた後、「我々の持つ世界的なソーシャルゲームのノウハウと、スクウェア・エニックスが持つコンテンツを作る力を掛け合わせ、新しいサービスを作っていく」と、今回の共同制作の意義を語った。

 スクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏は、コンシューマゲーム中心に展開している自社とグリーを比較して「ユーザーに対するツボの捕らえ方が違うけれども、そこを丁寧にアプローチしてとらえつつプラットフォーム事業を展開している」と説明し、大いに学ぶ姿勢があるのと同時に、双方の知見を公開しあいながらコラボレーションができれば、ユーザーに対してさらに新しい遊びの体験が提供できると語った。

吉田大成氏(左)と、間一朗氏
吉田大成氏(左)と、間一朗氏

 ゲームの説明にはスクウェア・エニックス第一制作部プロデューサーの間一朗氏と、グリー取締役執行役員常務メディア事業本部長の吉田大成氏が登壇し、それぞれのタイトルについて紹介した。

 ファイナルファンタジーの新作ソーシャルゲームはフィーチャーフォンとスマートフォンに対応。年内配信を予定している。タイトルは正式決定しておらず、現段階では「ファイナルファンタジー×GREE(仮)」となっている。内容としては、シリーズ関連作品の46タイトルから歴代キャラクターやモンスター、召還獣や武器・防具に至るまで集結。アクティブタイムバトル(ATB)要素を兼ね備えたボスバトルやシリーズの名シーンを彷彿とさせるイベントなどの要素を組み込んでいる。

 間氏は本作について、「ファイナルファンタジーはタイトルごとに設定から何から違っているわけですが、本作では全てが集約しています。ゲームの遊び方やスタイルは初めて挑戦するものとなりますが、間違いなくファイナルファンタジーであると言えるものです」とアピールした。

キャプション
シリーズのナンバリングのみならず、関連したあらゆる作品から登場する。
  • スクリーンショット

    (C)SQUARE ENIX CO., LTD. / GREE, Inc.

 すばらしきこのせかいは、ニンテンドーDS用ソフトとして2007年に発売されたタイトルで、「キングダム ハーツ」やファイナルファンタジーシリーズの制作スタッフが開発を担当。国内外で評価が高く、現在ではiOS版の「Solo Remix」も配信されている。東京の渋谷を舞台に、主人公が不条理な死神のゲームに巻き込まれ、7日間のうちにミッションをクリアしなければ存在そのものが消滅してしまうという。

 今回配信されるソーシャルゲーム「すばらしきこのせかい LIVE Remix」は、スマートフォンのみ対応で今冬配信予定。この世界観をベースに、直感的なタッチパネル操作によるアクションと、仲間同士で協力するチームバトルを楽しめる内容となっている。間氏は「DSのときから、タッチパネルを活かした軽快なアクションがウリのタイトルなので、この部分は必ず盛り込まないといけないシステムです。その上で制作しています」と説明した。

  • スクリーンショット

    (C)SQUARE ENIX CO., LTD. / GREE, Inc.

 この2つの新作タイトルの事前登録を開始。サービス開始時にゲーム内アイテムがプレゼントされるほか、両タイトルとも登録するとさらなるアイテムがもらえるキャンペーンを展開する。また、この2タイトルに加え、「聖剣伝説 サークル オブ マナ」と「チョコボのチョコッと農園」という新作タイトルの配信も予定している。

 今後の展開として海外展開の有無については、両者とも挑戦する意欲はあるとしながらも「まずは日本で成功してから」としていた。また、今回の配信タイトルについての意気込みのコメントを求められると、間氏は「我々にとってはとても大切なタイトルです。必ず成功することを約束します」と述べ、吉田氏も「この2つのタイトルを日本で成功させ、ソーシャルゲーム市場の活性化や新たな遊び方の創出を一緒にやっていければ」と語った。

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