Steve Ballmer氏とその部下たちは何年も前から、この日に向けて計画を練ってきた。米国時間10月26日、「Windows 8」が正式に発売され、Microsoftは舞台に戻ってくる。ここ数年のMicrosoftは競争に参加することができず、AppleやGoogleがデスクトップからモバイルおよびクラウドへシフトしていくのをただ傍観してきた。だからといって、Microsoftの事業が不調だったわけではない。同社はデスクトップ市場で95%のシェアを誇っており、法人向け事業と「Xbox」事業も好調である。しかし、それらは、世の中の動きや将来の大きな成長に向かって進んでいるわけではない。
未来は、タブレットやスマートフォンを主とする複数のデバイスがシームレスに結ばれたプラットフォームやアプリ、クラウドサービスにある。2009年以降暖め続けてきたWindows 8によって、Microsoftは37年の歴史の中で最も大きな賭けに出ているのかもしれない。そして、Windows 8の発売が近づくにつれて、同社の幹部らは、何か大きなことが起きるとの期待を高めている。
Windows 8に対する賛辞については、ほかでもないBill Gates氏が、同OSはMicrosoftにとって「極めて重要」であり、「パーソナルコンピューティングが向かうべき場所を示す鍵」になると述べた。Windows 8は、PCやノートPC、タブレット、スマートフォンを越えて動作する、大部分が統合されたプラットフォームを提供する。
Windowsチームを率いるSteven Sinofsky氏はWindows 8の開発について、「われわれがWindows 8に対して抱いていたビジョンは、向こう10年間のコンピューティングに向けたプラットフォームを定義する、最新で高速、そして滑らかなユーザー体験を作り出すことだった。それは、タブレットやノートPC、さらに自分が持ち歩くデバイスの役割に対する従来の考え方を覆すものだ」と書いた。
実際に、Microsoftは未来に向けてWindowsを一変させている。同社はこれまで、Appleが先導する「Macintosh」のユーザーインターフェースに追随する形で、Windows(1985年に初登場)を進化させてきた。1985年からの25年間、Microsoftは主に、親しみのある過去のユーザーインタラクションの癖を土台として改良を重ねてきた。しかし、Windows 8は過去と決別し、10億人以上のWindowsユーザーが比較的短期間で多くを学べる、新しくて革新的なユーザーインターフェースを実装している。
Forrester Researchが先頃発表した予測によると、Microsoftが昔デスクトップ市場で享受したようなある種の独占状態を手にすることはないという。Microsoftは2016年までに、タブレット売上高で約27%、スマートフォン売上高ではおそらく最大14%のシェアを獲得するだろう、とForresterは予測している。Windowsは今後もPCプラットフォームを先導し続けるが、より急速に成長するタブレットおよびスマートフォンの分野においては、Appleの「iOS」とGoogleの「Android」がそれぞれ市場を牽引していくだろう。
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