米YahooのMarissa Mayer氏は最高経営責任者(CEO)として初めて臨んだ決算発表の電話会見において、今後の戦略について、ある分野について以外は、会社の今後の行方についてヒントになる発言をほとんどしなかった。唯一、今後の戦略が明らかになった分野はモバイルだった。
Mayer氏は米国時間10月22日、Yahooの第3四半期決算発表後、1時間にわたって行われたアナリストとの電話会議において「われわれが最優先するのは、集中的かつ首尾一貫したモバイル戦略だ」と述べた。
YahooのCEO就任100日目を直前に控えたMayer氏にとって今回の決算発表は、CEOが次々と入れ替わってきた同社に対する投資家の信頼を取り戻すチャンスであった。
同氏は会見の冒頭で、YahooのCEOとしての仕事は自身にとって「ぴったり」であり、Yahooの中核製品はGoogleでの13年間におよぶキャリアのなかで注力してきた製品でもあると述べた。また最近新たに迎えた人材について同氏は「Yahoo Fantasy Sportsでドリームチームを作り上げるのであれば、わたしはまさにこのメンバーを招集するだろう」と述べた。
第3四半期決算の内容については特筆すべき点こそないものの、株価の安定につながりそうな兆候だけでなく、アナリスト予想を上回るところもあった。また、Mayer氏とアナリストらとの1時間にわたる電話会議における質問がフレンドリーな口調であったことから判断すると、この夏にCEOに就任した同氏とアナリストらの蜜月期間はまだ続いているようだ。
Mayer氏は自らのビジョンについてあまり具体的な内容を述べなかったものの、検索やメール、メッセンジャー、ホームページ、そしてもちろんモバイルといった分野においてより大きな存在感を持つようになることが同氏のビジョンに含まれているのは確かである。同氏はYahooがより多くのモバイル系エンジニアを必要としていると述べるとともに、同社の技術要員の半数がモバイル分野に従事する日が来ると述べた(Yahooは世界におけるGoogleやAppleの領域を脅かせるようなモバイルOSを手にしていないという点を考えると、これはMayer氏にとって現状にもどかしさを感じさせるテーマであるに違いない)。また、(Googleにおいて検索の専門家として信頼を勝ち取った)同氏は、モバイル分野と検索分野の接点について言及し、Yahooが「モバイル検索分野に君臨する大手企業数社」のうちの1社になるはずだと予想した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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