カリフォルニア州パロアルト発--Facebookの最高経営責任者(CEO)兼共同創業者のMark Zuckerberg氏は米国時間10月20日、Y CombinatorのStartup Schoolで熱狂的な聴衆を前に、Facebookについて自信に満ちた表情で語り、Facebookや他のソーシャル企業を介して現在よりもはるかに多くの情報を共有する世界を説明した。
Y Combinatorの共同創設者Paul Graham氏のインタビューに応じる格好で、Zuckerberg氏は「ソーシャルネットワーキングの世界におけるムーアの法則のようなものだ」と述べ、「(共有の)速度は10年毎に2倍になるとわれわれは考えている。なので、今から10年で、人は今日の1000倍の情報を共有するようになる」とした。
もちろん、Zuckerberg氏と先ごろ新規株式公開(IPO)したFacebookはこの展望を当てにしている。同社の10億強のユーザーが友達と連絡をとるためだけでなく、ブランドと触れ合ったりするためにFacebookを利用し続けることが同社の願いだ。
スタンフォード大学のメモリアルホールには、米国中の起業家や起業を狙う人たちから成る約1700名もの大量のファンが、メインの講演者であるZuckerberg氏からヒントを得ようと押し寄せ、なかには良い席につこうと、開演の何時間も前から列に並んだ人もいるという。
今回のインタビューはFacebookの事業に焦点を当てたものではなかったので、Graham氏は、Facebookの株価や、悲惨なIPOが初期の資金調達に及ぼした影響については触れなかった。また広告事業に触れることもなく、Facebookユーザーのうち6億人がスマートフォンでサービスを利用していることから同社の大きな課題になっている、「モバイル」という言葉を発することもなかった。
その代わり、2人はZuckerberg氏のハーバード大学時代について語った。心理学を学んでいたZuckerberg氏は寮の一室でFacebookを構築し始め、その後2004年に中退。パロアルトに引越し、開発に専念した。Graham氏はFacebookの最初のサーバの値段を尋ね(答えは85ドルだった)、Zuckerberg氏は当初は手元にない資金は絶対に使わなかったと答えた。また同氏は、会社をつくりたくてFacebookを始めたわけではなく(同氏は株主への書簡でもそうつづっている)、「本当にこういうものが欲しかった」と主張した。
同氏は、人と人をつなげるサービスを構築したくなったとして、「その必要性を強く感じた」と述べる。また「大学でこれが欲しかったからFacebookを作り始めた。その後、大学を去ることになったから皮肉だけど」と言った。
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