KDDIは10月17日、2012年冬モデルとなる新商品10機種を発表した。スマートフォン9機種、タブレット1機種のラインアップで、このうち8機種を11月2日に一斉発売する。また、同日開催された発表会では、2013年の春モデルとして「INFOBAR」の最新モデルが投入されることも明かされた。
冬モデルのスマートフォンは、全モデルが高速通信のLTEサービス「au 4G LTE」とテザリングに対応している。また、全9機種がワンセグとFeliCaを搭載し、GALAXY S III Progreを除く8機種が赤外線と防水に対応するなど、日本向け機能も充実している。
冬モデルの発表に併せて、KDDが最もアピールしていたのはLTEのネットワーク品質だ。KDDI代表取締役社長の田中孝司氏は、「auにとってLTEは新たなネットワークサービスを始めるという単純なものではない」と語り、auの“3つの本気”として、(1)エリアの広がり、(2)電波のつながり、(3)auのこだわりを挙げる。
まず、エリアの広がりについては、10月末時点で84%の実人口カバー率を2013年3月末までに96%まで拡大する。また2013年以降には現在75Mbpsの通信速度を112.5Mbpsに高速化する予定だ。「日本のどのキャリアよりもエリアを広げていきたい」(田中氏)。さらに同社の800MHz帯によって、電波のつながりについてもアピールしていきたいと語る。
そして、田中氏が特に強調したのがauのこだわりだ。KDDIは複数の基地局機能を1箇所に設置し、大容量かつ広いエリアを確保できる「3セクタータイプ」のLTE基地局を採用しているが、基地局のすき間には電波の弱いエリアが生まれてしまう。そこで、それぞれのすき間にピコセル(小型)基地局を設置し、弱電波のエリアを極力減らしているという。
LTEから3Gへデータ通信をシームレスに切り替えるための新技術「Optimized Handover(オプティマイズド ハンドオーバー)」も、11月1日から全国で導入する。LTEエリアから3Gエリアへ移動する際に、あらかじめ3G通信に必要な処理をLTE側で行うことで、エリア移動時の通信の途切れを最小限に抑えることができるとしている。
「これは本邦初。スマートフォン側もネットワーク側も(Optimized Handoverに)対応しているのはauだけ。ドコモはネットワーク側のみ、ソフトバンクは両方未対応だと聞いている」(田中氏)
またLTEが圏外にも関わらず、端末側で定期的にLTEの電波を検索するといった無駄なスキャンを行わないよう、エリアごとにネットワークのチューニングを施すことで、すべてのLTE端末の電池消費を抑えられるとした。
続けて田中氏は、高速通信を使えるようになってほしい場所として、約7割が「自宅」と回答した同社の調査結果を紹介。「さらに顧客のウォンツ(欲求)にお応えしたい」と語り、最大150Mbpsのauスマートフォン向けWi-Fiルータ「HOME SPOT CUBE」を設置することで、外出時だけでなく自宅もカバーしていきたいとした。
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