ソフトバンクは10月15日、米Sprint Nextelとの間で買収の合意に達したと発表した。同社の70%の株式を取得することになる。
ソフトバンクは今回の買収に伴い、約201億ドル(約1兆5790億円)を投じ、そのうち約6割に当たる約121億ドル(約9469億円)でSprintの既存株式を取得。さらに新規に発行される株式をソフトバンクが80億ドル(約6240億円)で取得し、これをスプリントの財務体質の強化などに当てるという。
これにより、ソフトバンクは移動体通信事業者として世界第3位の規模になる。
今回の買収は「タイムマシン経営の二巡目」(ソフトバンク・孫正義社長)であるとともに、「私が生きているうちに必ず世界一になる」という、世界市場で戦うグローバルカンパニーとして大きな一歩を踏み出すものになる。
ソフトバンクの成長戦略は、孫社長がいうタイムマシン経営によって生み出されていたのは周知の通りだ。
Yahoo!などの米国のインターネット先進企業に出資し、その時間差を利用して日本で同様のビジネスを創出。さらに、それを中国企業に出資して展開し、その成功事例をアジアに展開するというものだ。
孫社長は「LTEによって音声中心からモバイルインターネットの世界が一気に進展する。つまり、モバイルインターネットの領域において、もう一度、タイムマンシ経営を行う時期に入ってきた。ソフトバンクにとって二巡目のタイムマシン経営になる」と位置づける。
これまでのタイムマシン経営が「インターネット」を基盤にしたものであるのに対して、今度のタイムマシン経営は「モバイルインターネット」をターゲットとしたものになる。
「モバイルインターネットの最先端のサービスを生み出していくのも米国。そこに最も高速なモバイルネットワーク環境を経験している我々が、自らプレイヤーとなって実現させていく。この経験をコンテンツやサービスとして、いずれは日本、中国、アジアというように2サイクル目に入っていくことになる」とする。
その道筋がすでに孫社長には見えているようだ。
そしてもう一つは、グローバルカンパニーとして大きく踏み出す点だ。
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