ソフトバンク株、下げ止まらず--米企業買収で財務負担の懸念増加

別井貴志 (編集部)2012年10月15日 12時01分

 米携帯電話3位のSprint Nextelを買収することで協議中としているソフトバンクの株価は先週末10月12日に急落した。Sprintを通じて米携帯電話5位のMetroPCS Wirelessの買収も検討しており、これらの正式合意発表が10月15日に迫っているとも言われているが、週明け10月15日のソフトバンク株価は続落して下げ止まらない。

 UBS証券では今回の買収報道を受けて10月12日付けでリサーチレポートを出し、今後12カ月の株価レーティングをこれまでの「Buy」から「Neutral」に格下げし、KeyCall推奨(注目銘柄)から除外した。今後12カ月の目標株価もこれまでの3570円から2350円に引き下げた。

 買収総額は2兆円規模とされている。この買収資金について同証券では、ソフトバンクの社債発行利回りは1.6%程度と低利である事から借入による資金調達が中心と見込む一方、買収候補2社とソフトバンクのNet Debt(有利子負債から現預金などを控除した純有利子負債)の合計は2兆6000億円となり、これに買収資金2兆円の新たな借り入れが加わると4兆6000億円の借入残高になるため、財務負担が明らかに増す事は必至としている。

 業績について同証券の米国通信チーム予想では、Sprintは2013年度まで純利益で赤字見通しとなっており、のれん・借入金利負担増を考慮せずに単純にソフトバンクの業績予想に連結しただけでも、ソフトバンクのEPS(1株あたり利益)へ2012年度-306円、2013年度-118円の影響があるという。さらに、Metro PCSは黒字だが、同様にソフトバンクのEPSへの影響は2012年度+18円、2013年度+11円となり、Sprint分を補えないとしている。

 そして3社の同証券の業績予想を単純合算すると、営業利益は2013年度に8110億円、2014年度に1兆1171億円となり、ソフトバンクの利益目標である「2016年度1兆円」を前倒しで達成する公算だが、借入負担増という大きな代償も伴うことになる。同証券では、買収の事実が正式公表されるまでは現状の業績予想には織り込まないが、当面買収後の業績を意識した株価形成になると想定している。なお、イー・アクセスとの経営統合について同証券では、10月1日付けのレポートで「株式交換による希薄化は限定的」として、ソフトバンクの株価レーティングは「Buy」を継続していた。

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