ソニーは10月1日、マイクロソフトの最新OSであるWindows 8を搭載した「VAIO」秋冬モデルを、10月26日から順次発売することを発表した。ノートPC 4シリーズ16機種、テーブルトップPC1シリーズ 3機種、一体型デスクトップPC 1シリーズ3機種の全6シリーズ計22機種となる。このうち、「VAIO Duo 11」「VAIO Tap 20」など5シリーズ8機種がタッチ操作に対応する。
秋冬モデルでは、タブレット形状での使用やタッチペンによる手書きができるスライダーハイブリッドPC「VAIO Duo 11(バイオデュオ)」や、テーブルと画面を水平にするなど画面の角度を自由に変更できるテーブルトップPC「VAIO Tap 20(バイオタップ)」を発表。このほか、タッチ操作に対応したノートPCのVAIO「Tシリーズ 13」、VAIO「Eシリーズ 14P」、一体型デスクトップPCのVAIO「Lシリーズ」などが発表された。
VAIO Duo 11は、ワンアクションでディスプレイ部分をスライドさせて、タブレット形状でも使用可能な独自のSurf Slider(サーフスライダー)方式を採用したウルトラブック。仕事ではキーボードで作業し、オフタイムではタブレット形状にしてタッチ操作でコンテンツを楽しむなど、用途にあわせて使用形状を選ぶことができる。
同日の記者発表会で登壇した、ソニー業務執行役員 SVP VAIO&Mobile事業本部 本部長の赤羽良介氏によれば、「PC or タブレットではなくPC&タブレット。ある時はPC、あるときはタブレットではなく、常にPCでありタブレットである使い方ができることを追求した」という。
NFCを搭載しており、対応機器と手軽にワイヤレス接続できるワンタッチ機能に対応。NFCを搭載したスマートフォン「Xperia」とワイヤレス接続して、Xperiaで再生中の音楽や静止画を簡単に楽しめる。
さらに、付属のデジタイザースタイラス(ペン)と手書きに対応したアプリを活用することで、手書き感覚でのメモ書きが可能。ペン操作に対応した画像切り抜き加工ソフト「Active Clip」や、PowerPointのプレゼンテーションモード中でも、ペンで資料に直接手書きができる「Slide show add-in」などを利用できる。10月26日に発売予定で、市場想定価格は約15万円となる。
VAIO Tap 20は、用途に合わせて画面の角度を自由に変更できるフリースタイルスタンドを採用し、大型液晶やバッテリを搭載したテーブルトップPC。リビングテーブルの中心に置いて、家族で囲んで使うことができる。11月3日に発売予定で、市場想定価格は約14万円からとなっている。
10点までのマルチタッチに対応する広視野角20型ワイドの大画面タッチパネル液晶を搭載。左右から同時にイラストを描ける「Family Paint」や、ビデオメッセージを残して共有できる家族の伝言板「Fingertapps Organizer」、タッチ操作で簡単にショートムービーを作成できる「VAIO Movie Creator」など、複数人で利用できる多彩なアプリに対応する。
「PCはパーソナルコンピュータの略。1つの画面を2人で同時に使うことは想定していなかったと思う。これがVAIO Tap 20では、大画面でしかもマルチタッチをサポートすることで、1つの画面を同時に2人で操作して楽しめるようになった」(赤羽氏)
さらにバッテリを搭載しているため、使いたい場所まで電源を入れたまま持ち運んで使うことができる。「Rapid Wake + Eco」機能にも対応しており、スリープ状態からすばやく起動することができるという。
秋冬モデルでは、これらの機能に加えて、VAIO専用アプリ「VAIO TV with nasne」にも対応。ネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne(ナスネ)」にアクセスして、地上デジタル放送やBSを視聴したり、録画コンテンツを視聴できるようになった。nasneのハードディスクに録画した番組をBlu-rayディスクやDVDなどに書き出すことも可能だ。
赤羽氏は「我々はこれらの新しい商品とともに新しい体験を皆さんにお届けしたいと思っている。感動を提供すること、人々の好奇心を刺激すること、それらがソニーの使命。VAIOは“よく学び、よく働き、よく遊べ”といったところを刺激し、それを実行するための最高のパートナーでありたい」と意気込みを語る。
また、ソニーマーケティング ITマーケティング部 統括部長の下野裕氏は、Windows 8搭載PCの市場投入を見越した買い控えが起きたことなどにより、2012年度上期は国内コンシューマーPCの出荷台数が芳しくなかったと説明。「新たなVAIOでは、従来のPCにはない新しい形状を創造することで、人とPCの新しい関係作りを提案していきたいと思っている。この提案によって、新しいPCマーケットを創造し、ひいてはPC市場そのものを活性化したい」と期待を寄せた。
さらに発表会では、Windows 8を提供する日本マイクロソフトの執行役常務 CCG担当である香山春明氏も登壇。ソニーはこれまで、日本のイノベーションをリードし続けてきたと説明し、「Windows 8の登場でPCは新たなステージに移る。これまで、Windows PCを使ったことのある人、またない人にもこの新時代の体験を届けることで、新たなビジネスがどんどん生まれてくると思っている」と喜びを語った。
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