オリンパスとソニーは10月1日、9月28に発表した資本、業務提携を受け、オリンパス代表取締役社長執行役員笹宏行氏、ソニー代表執行役社長兼CEO平井一夫氏の両社長出席の下、記者会見を開催した。今回の提携に至った経緯と12月に設立を予定している医療関連の合弁会社の詳細などについて説明した。
今回の資本、業務提携は、医療、カメラの両事業において実施される。ソニーはオリンパスに対し500億円を出資し、筆頭株主になるほか、両社が12月に設立する予定の医療事業における合弁会社を、ソニーの連結子会社とする。
ソニーの平井氏は「ソニーの中核事業を飛躍させるためには、周辺機器のみならず医療機器本体の事業に参入することは不可欠。今回の提携はソニーにとって最も効果的であると判断した。3D4Kなどの先進的な映像技術を、オリンパスの医療機器へ融合することで、革新的で競争力ある事業を創造していく」と医療分野の提携について話した。
カメラ事業においては「ソニーのイメージセンサーを安定的に供給いただくことで、より魅力的な製品を生み出していく。オリンパスからはコンパクトデジタルカメラのレンズ、鏡枠、光学技術などを提供する」(笹氏)と、両社のブランドを維持しつつ各々のカメラ事業を強化していくことを明らかにした。
医療事業における合弁会社は、オリンパス49%、ソニー51%の出資比率で、4K以上の解像度技術、3D機能などを持つ新型外科用内視鏡とその関連システムの設計、製造を手がけるほか、手術室への医療機器、映像機器の統合ソリューション事業を行う予定。ソニーは、この外科医療機器市場を2020年に7500億円を超えると見ており、合弁会社ではこのうち20%のシェア獲得を目指す。
平井氏は「オリンパスとの話し合いの中で相当の利益率が確保できるという認識でいる。ソニーでは医療事業で2020年に2000億円を目指しているが、この内の3分の1を合弁会社が担う形で考えている」とした。
デジタルカメラについては「イメージセンサやレンズなどの供給はしていくし、2社のボリュームもいかした形で協業するが『Cyber-shot』と『PEN』、『α』と『OMD』などが統合されたり、マウントが一緒になったりという形は考えていない。特にマウントはカメラユーザーにとって文化の一つ。お客様の利益に反する形で統合することは難しい。いかにソニーとオリンパスの強い部分を持ち合ってお互いのカメラ事業を強化するのかが大事」(平井氏)と、見解を示した。
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