販売が開始されたばかりのAppleの「iPhone 5」は、2時間近くにわたる特別イベントで紹介され、詳細な仕様がウェブサイト上に公開されてもいる。その詳細がすべて発表されたとはいえ、まださまざまな疑問を抱いている読者も多いはずだ。本記事では、基本的な疑問をあらためて整理したい読者に向けて、旧世代との仕様の違いなどにFAQ形式で答えている。
--iPhone 5は従来のiPhoneとどこが違うのか。
外見上の大きな違いは、iPhone 5が縦長のデザインとなり、かつ薄くなっているという点にある。画面の対角線サイズは4インチと大型化(従来のiPhoneは3.5インチ)しているため、アイコン表示が5段に増え、ウェブ閲覧やアプリの実行、映画鑑賞をより大画面で行えるようになっている。一方、内部に目を向けると、より高速な「A6」チップや、より高性能なカメラが搭載され、マイクの数も増えている。
--新型のドックコネクタについてはどうなのか。
Appleが「Lightning」コネクタと呼ぶプロプライエタリな新型コネクタは、従来の30ピンコネクタに比べると80%も小さくなっている。その主な特長は、裏表の区別がないため、どちらの面を上にして差し込んでもよいという点にある。これに対して従来のコネクタは適切な面を上にして差し込む必要があった。
もちろんのことながら、こういった変更により既存のケーブルやドック、あるいはサードパーティーのオーディオシステムといったものがiPhone 5では利用できなくなる(そう、これは面倒な話だ)。この問題に対処するために、Appleは変換アダプタを用意しているものの、これは(当然ながら)購入しなければならず、安価とも言い難い。その価格は29ドルとなっている。また、この他にもAppleはLightning-USBケーブルを19ドルで、そしてLightning-30ピンアダプタを39ドルで販売する予定にしている。将来的にはより安価なサードパーティー製のアダプタが市場に出回るだろうが、今のところ選択肢は非常に限られている。
--裏面パネルはガラス製ではなくなったのか。
その答えはイエスでもありノーでもある。iPhone 5の裏面は主に金属でできているが、各種のアンテナを機能させるために、上部と下部にはガラスがはめ込まれている。Appleは「iPod touch」の過去のモデルや、3G対応版「iPad」でも同様のことを行っている。
--それは、従来よりも頑丈に作られている、あるいは落としても壊れにくくなっているということを意味しているのか。
その点については現時点ではまだ分からない。
--SIMはさらに小さくなっているのか。
確かに小さくなっている。「iPhone 4」では従来のSIMよりも小さな「micro-SIM」が採用されたが(Appleが最初にmicro-SIMを採用したのは初代iPadである)、今回はさらに小さな「nano-SIM」が採用されている。残念なことに、従来のSIMやmicro-SIMを削って小さくしたとしても、iPhone 5では動作しない。nano-SIMはただ小さくなっているだけでなく、薄くもなっているのである。
--バッテリ持続時間に差はあるのか。
通話時間に関しては、昨年発売のモデルと今年発売のモデルの間でバッテリ持続時間に差はない。iPhone 5は「iPhone 4S」と同様に、3Gでは最大8時間の通話が可能とされている。
ただし、他の機能を使用する際のバッテリ持続時間はiPhone 5の方が長くなっている。iPhone 5はLTEで最大8時間のウェブ閲覧が可能となっており、iPhone 4Sにおける3Gでの6時間よりも長くなっている。またWi-Fi接続時でも、iPhone 5は最大10時間のウェブ閲覧が可能となっており、iPhone 4Sにおける9時間よりも長くなっている。
さらにAppleによると、待ち受け時のバッテリ持続時間も長くなっており、iPhone 4Sの最大200時間に対して、iPhone 5は225時間であるという。ただしいずれも、Appleのテスト基準で測定されたiPhone 4のバッテリ持続時間である300時間に比べると、大幅に短くなっている。
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