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「iPhone 5」がAndroid陣営に与える影響--アップルは支配力を維持できるか - (page 2)

Scott Webster (Special to CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル 編集部2012年09月20日 07時30分
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 PCとの類似に話を戻すと、確かに同様のトレンドが起こっており、将来的にはAppleファンが非常に声高に意見を主張しはするが、少数派集団になるのではないかと思われる。言うまでもないがこれは、いまだに市場シェア獲得に苦労している「BlackBerry」および「Windows Phone」OSを考慮に入れてはいない。

 それでは、PC対「Mac」の戦いが再来するのだろうか。GartnerやcomScore、Nielsenといった企業のレポートに目を通すと、Androidが市場シェアの「勝者」になっていることを簡単に見て取れる。しかし、記録的な利益を維持し続けている限り、Appleにとって市場シェアは重要ではないのかもしれない。Appleユーザーの多くは、新しいモデルが出たという理由だけで購入することを思い出してほしい。たとえ漸進的な変更点しかないとしても問題ではない。ホットな新製品を友達に見せびらかしたいのだから。

対象はいつもと同じ集団か

 Appleが発売するすべての製品と同じように、同社は新しいiPhoneをいつもと同じ人々に売り込むだろう。それは巨大で常に拡大しているグループなのであろうか。もちろんそうだ。しかし、本当の問題は、Appleが今後もそのグループに新たなメンバーを引き寄せ続けることができるのか、ということだ。Androidスマートフォンの価格は下がり続けているが、ハードウェアは相当に優れたものが採用されている。筆者が思うに、Appleは販売台数が何台であれそれに満足し、市場シェアよりも利益の方を重要視するのではないか。

Androidスマートフォンに追いつく

 情報を見る限り、iPhone 5が競合製品よりはるかに優れている点は見当たらない。2011年モデルから改良された最大の点は、大きくなった4インチディスプレイと4G LTEの2つだけだが、それも業界に追いつくという程度だ。Androidユーザーは2年近く前から、これらの機能のいずれかを享受している。実際に、携帯電話に4G LTEと4インチ(またはそれよりも大きい)ディスプレイの両方が搭載されていないとなると、それだけでその携帯電話はミッドレンジの製品に押し下げられているように思える。筋金入りのAndroidユーザーたちは、これらの機能が搭載されたデバイスを見慣れている。そしておそらく、平均的な消費者であれば、これらの機能がいずれも、しばらく前から存在していることを知っているだろう。

 そのほかにも今日のAndroid携帯電話は、新しいiPhone 5にはないいくつかの機能を搭載している。最先端のテクノロジを好む人々は、クアッドコアプロセッサや近距離無線通信(NFC)のサポート、より大型のディスプレイに間違いなく感銘を受けるだろう。読者はNVIDIAの「Tegra 3」チップのような最先端テクノロジは必要としていないかもしれないが、モバイル決済(「Google Wallet」)という概念は気に入るかもしれない。あるいは、大きな画面とデジタルスタイラスを備えた5.5インチの「Galaxy Note 2」の外観について、非常にシャープだと思うかもしれない。携帯電話で写真を撮影するのが好きな人はおそらく、「Optimus G」と同デバイスに搭載された13メガピクセルの「世界一」(YouTube動画)のカメラに興味を持つことだろう。

 Appleは、電池寿命などハードウェアの詳細よりもカメラの新機能に関する説明に長い時間を費やした。確かにカメラはコンシューマー層にとって重要な体験であり、Appleにとっても例外ではない。とは言っても、携帯電話としての仕様に関しては、Androidなど他のプレイヤーに打撃を与える特段の機会をAppleが持っているようには見えない。恐らく、これが「ポストJobs氏」における製品発表の新たなやり方なのかもしれないし、今回は新しい革新的なものがないということをAppleが理解しているからなのかもしれない。何にせよ、Androidの携帯電話メーカーが慌てて対応せざるを得ないようなものは何も見当たらない。大体こういった理由で、筆者はiPhone 5にAndroid携帯から差別化する点を見出した人を見付けるのに苦労している。

全体的な影響

 今後数カ月間にiPhoneの販売台数は急増し、記録的な数字になるだろう。より長期的にみると、Androidはそれほど大きな影響を受けず、市場シェア60%に迫るか、これを超えると思われる。Androidは、携帯電話がより安価でハードウェアの選択肢も多く、さらにキャリアの選択肢も幅広いため、今後も成長を続けるだろう。言い換えれば、今日は2009年と同じ状況だということだ。

 Androidユーザーと新規スマートフォン購入者は、ここ数年間でますますAndroidを選ぶようになっており、今後も多くの人がAndroidを選択するだろう。一方で、Appleは今後も常に新たなユーザーを取り込み、自社の基盤を拡大するだろう。各社の信者やファンは引き続き、互いを攻撃して自分の芝生の方が青いと主張するだろう。また、スマートフォン業界がこれほど急速に成長していることから考えられるのは、両社は自らのパイに満足するだろうということだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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