米下院情報委員会は米国時間9月13日、中国の通信機器メーカーであるHuawei Technologies(ファーウェイ)とZTEの幹部を公聴会に召喚し、米国の安全保障に対して両社がもたらす潜在的な脅威について問いただしたものの、満足のいく答えはほとんど得られなかった。
同委員会の委員長を務めるMike Rogers議員(共和党、ミシガン州選出)はファーウェイとZTEを調査対象とする公聴会の最後で、「本日の内容には落胆を禁じ得ない」と述べるとともに、「もう少し透明性のある回答が得られるものと期待していた。つじつまの合わないその他の回答についても大きな懸念を抱いている」と述べている(米CNETはこの公聴会をウェブキャストを通じて傍聴していた)。
Rogers議員と同委員会のメンバーたちはこれら中国企業2社の幹部に対して、両社が中国政府からの命令に従って行動したり、あるいは少なくとも中国政府の意向に沿って行動するという懸念の声があると述べたうえで、そのことについて繰り返し問いただした。同委員会が抱いている懸念は、中国政府がこれらの企業のネットワーク機器を利用することで、米国の企業や個人から情報を盗み取ることができるのではないかという点にある。
民主党の有力者であるC.A. Dutch Ruppersberger議員(民主党、メリーランド州選出)はファーウェイのシニアバイスプレジデントであるCharles Ding氏に対して「中国政府から米国の顧客に関する情報の提供を命じられた場合、どのように対処するのか?」と質問した。
Ding氏は同委員会に対して、ファーウェイはそのような要求を拒否すると答えた。
Ding氏は通訳を介して「われわれが、顧客のネットワークに害を与えるような行為を行ったことはないし、今後も絶対に行わない」と述べるとともに「そういった行為は企業として自殺行為になる」と述べた。
Ruppersberger議員は「それで投獄されることになってもか?」と畳み掛けた。
この質問に対するDing氏の答えは「なぜ会社がわれわれを投獄するのか?」だった。
3時間にわたって行われた公聴会では同様のやり取りが繰り返され、警戒心を抱いている議員らからの質問に対して満足のいく答えが返されることはなかった。
既に中国を訪れ、現地で両社の幹部に会っている同委員会は2~3週間後に報告書を提出する予定になっている。この報告書には、政策立案者や民間企業に向けた、今後の行動に対する提言が盛り込まれるはずだ。なお、米CNETは2012年夏、深センにあるファーウェイの中国本部と、上海の研究施設を訪問したうえで、こういった懸念と、同社の応答について記事を執筆している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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