一連のセキュリティ問題を乗り越えたように見えるGoogleは10月、プリペイド決済カード市場から撤退する。
Googleは米国時間9月10日、プリペイドカードの利用者に対し、自身のカードに入っている残高を急いで使うようにとの通知を出し始めた。10月17日をもって、プリペイドカードが無効になるためだ。
このプリペイドカードは、「Google Wallet」であらゆるデビットカードおよびクレジットカードを利用できる機能が追加されたことで不要になった、と同社は述べた。Googleは8月1日、同社の決済システムがクラウドに移行することを発表した。それは、同社が主要なクレジットカードおよびデビットカードをすべて受け付けられるようになったことを意味する。
2011年中頃に登場したGoogle Walletは、スマートフォンと近距離無線通信(NFC)テクノロジだけを利用して決済を行える、革新的だがシンプルな手段として、大々的に宣伝された。しかし、同モバイルコマースプラットフォームは、Googleプリペイドカードを含む少数の決済方法にしか対応していなかったため、一般の人々への普及はあまり進まなかった。同プリペイドカードは、既存のあらゆるクレジットカードからの入金が可能だった。
このプリペイドカードは、ユーザーのアカウントからお金が盗まれかねない脆弱性によって、さらに普及が妨げられた。Googleは2月、PINをリセットしてプリペイドカードを使うだけでユーザーのお金にアクセスできるようになる2件のハッキング手法が発見されたことを受け、プリペイドカードの使用を一時停止している。
同社はその後すぐ、別の人間がプリペイドカードを再設定できないようにするフィックスをリリースし、新しいプリペイドカードの発行を再開した。
Googleが9月10日に述べたところによると、ユーザーは9月17日をもってカードに入金することができなくなり、プリペイドカードは10月17日にGoogle Walletアプリから消える予定だという。つまり、ユーザーは10月17日以降、自分の残高を使うことができなくなる。しかし、その日を過ぎても、ユーザーはあらゆる残高の払い戻しを求めることができるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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